岡山大学長インタビュー 地域との共育・共創で次世代リーダーを育成

「持続可能な開発のための教育(ESD)」についてアジア初のユネスコチェアである岡山大学は、地域循環共生圏の実現や、ソーシャル・アントレプレナーシップの醸成に力を注いでいる。共に育て共に創る「共育・共創」を通して、世界で活躍する次世代リーダーを育成する取り組みに迫る。

江戸時代から受け継がれる、社会課題解決の遺伝子

槇野 博史

槇野 博史

岡山大学 学長
1975年岡山大学医学部医学科卒業。1996年同学部第三内科教授、2009~11年、大学院医歯薬学総合研究科長を務めた。その後理事・岡山大学病院長を経て、2017年4月から現職。学長就任時より SDGs への貢献を掲げ、2017年末第1回ジャパン SDGs アワード「SDGs パートナーシップ賞」を受賞。2019年国連ハイレベル政治フォーラムに参加し SDGs 大学経営を世界へ発信した。

江戸の三名君のひとりである池田光政が、日本最古の『庶民の学校』として閑谷学校を開いたのは1670年。岡山藩以外からも子弟を受け入れて、インクルーシブな実践人教育を行った。また日本の近代化に貢献した津山洋学など、岡山には「社会課題解決の遺伝子」が受け継がれている。

1949年に、旧制官立岡山医科大学を中核とする5つの学校を包括して新設されたのが岡山大学だ。1994年には、国立大学で初めて「環境」の名の付いた学部(環境理工学部)を設置。国連大学が提唱した「ESD に関する地域の拠点(RCE)」に…

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