「現場力」を育むワークショップで公共政策を担うプロ人材を育成

様々な社会課題が山積する中、公共政策を担う高度な専門人材の育成は喫緊の課題となっている。東北大学公共政策大学院では「現場力」を重視し、実務家教員らの指導の下でその力を身につける「ワークショップ」を取り入れている。研究成果を基にした、政策提言も行っている。

国際的な「政策競争」にも
勝てる専門人材の育成が必要

西岡 晋

西岡 晋

東北大学公共政策大学院院長・教授
1972年生まれ。2007年早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。金沢大学法学類准教授・教授等を経て2015年10月から東北大学大学院法学研究科教授。2019年9月から21年9月までHertie School(ヘルティ大学院・ドイツ)客員研究員。2022年4月から東北大学公共政策大学院院長。専攻は行政学・公共政策学。

「日本ではかつて政治家はあまり信頼されなくても、官僚は優秀で清廉潔白というイメージがありました。また、官僚主導による政策も、全体的にはうまく行っていると考えられていたと思います」

東北大学公共政策大学院院長・教授の西岡晋氏は、こう語る。日本は高度経済成長期に急速に戦後復興を遂げ、その成長は特に1980年代、海外でも注目された。そこでは、通商産業省(現:経済産業省)の官僚の役割が大きいという評価もなされた。しかし、1990年代以降、官僚に対する信頼は徐々に低下していった。

「とりわけ、バブル崩壊がきっかけになりました。また、当時は大蔵省(現:財務省)の接待問題などもあり、…

(※全文:2300文字 画像:あり)

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