公共政策のプロ人材を育成する博士課程の「EBPMプログラム」

様々な社会課題が山積する中で、公共政策を担う高度プロ人材の育成は喫緊の課題だ。昨今、EBPMに注目が集まる中、一橋大学は、働きながらEBPMを学べる社会人のための博士後期課程を2020年度に開講した。EBPMの意義と本プログラムの狙いについて、小塩隆士教授に話を聞いた。

EBPM浸透に向けて
政府がロジックモデル活用を推進

小塩 隆士

小塩 隆士

一橋大学社会科学高等研究院 EBPM研究センター長・教授
東京大学教養学部卒業後、経済企画庁(現内閣府)JPモルガン勤務等を経て、2009年より一橋大学経済研究所教授。大阪大学博士(国際公共政策)。専門は公共経済学。著書に、『日本人の健康を社会科学で考える』(日本経済新聞出版、2021年)、『くらしと健康』(岩波書店、2018年)等。

政府は統計データなどを活用したEBPM(Evidence Based Policy Making:証拠に基づく政策立案)を推進している。2017年に「EBPM推進委員会」を発足し、2021年11月にはデジタル庁が初の会合を開催するなど、公共政策におけるEBPMの活用に期待が集まっている。

EBPM推進委員会によれば、EBPMは政策の企画立案を、一部の人間の主張や検証していない前例や経験に従うのではなく、「①政策目的を明確化させ、②その目的達成のため、本当に効果が上がる政策手段は何かなど、政策手段と目的の論理的なつながりを明確にし、③このつながりの裏付けとなるようなデータ等のエビデンス(根拠)を可能な限り求め、…

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