不正はいつの時代もなくならない 企業はその前提で対策を

横領や着服、品質問題など様々な不正は、企業の信頼を失墜させる。それでもなぜ不正は起こり続けるのか。「現場で働く社員は何を思って不正に走るのか―背に腹は代えられぬ事情の臨床的アプローチ―」などの論文を執筆した埼玉大学学術院の水村典弘教授に、その原因や対策について話を聞いた。

複雑化する不正
起こるべくして起こる不正

水村 典弘

水村 典弘

埼玉大学学術院 大学院人文社会科学研究科
経済系 経営学研究領域 教授
1974年、東京都世田谷区生まれ。2003年、明治大学大学院商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。

── まずは社員の不正に関する最近の傾向についてお聞かせください。

横領・着服の実行期間の長期化や、実行額の高額化が気になります。取引先と口裏合わせして隠ぺい工作を図るなど、手口も巧妙化しているため、監査や社内調査をすり抜けて、税務調査で発覚するケースも増えています。

最近は、情報漏えいも増えています。社内の機密情報を持ち出して転職するケースや、恩義を感じる相手のためを思う不正も耳に入ってきます。元上司やかつての同僚に頼まれて、社内の機密文書や顧客名簿などを持ち出すのです。当の本人は情報持ち出しが法に触れることを知っているのですが、「恩に報いたい」「親しかった同僚が困っているのだから」などと情に流されてしまうようです。

(※全文:3117文字 画像:あり)

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