企業に求められる新たなアンテナ 経済だけを見ていられない時代へ
—貿易やテクノロジーなど、様々な領域で活発化する米中の動き。国内企業は影響を受けるなかで、危機管理体制をどのように整えるべきなのか。経済安全保障や先端技術などを専門領域とする東京大学先端科学技術研究センター特任講師の井形彬氏に、その考え方や対策について、話を聞いた。
民間企業に求められる
新たなアンテナ
井形 彬
東京大学先端科学技術研究センター 特任講師
ペンシルバニア大学(米国)「環太平洋・アジア・対中対話」フェロー、パシフィック・フォーラム(PF、米国)シニア・アドバイザー、オーストラリア国立大学国家安全保障カレッジ(NSC, ANU、豪州)エキスパート・アソシエイト、欧州価値観安全保障研究所(EVC、チェコ)グローバル・アドバイザリー・ボードメンバー、中国政策に関する国際議員連盟(IPAC)経済安保アドバイザーなど、海外で複数の役職を兼務。
── 国内企業に及ぶリスクは、近年どのように変化していますか。
従来は、安全保障・防衛は主に国が担い、経済活動は主に民間が担うという、比較的明確な役割分担がありました。しかし現在は、地政学的な変動がダイレクトに企業活動に影響するようになっていて、アメリカや中国でつくられた法律や政策はもちろん、EUの規制が域外にも波及する「ブリュッセル効果」が生まれるなど、日本企業も製品の開発・販売、サプライチェーンの構築、投資判断など、あらゆる面で波及効果を受けている現状があります。
つまり、以前は民間企業が意識しなくてもよかった領域を意識する必要性が生まれたと言えます。そのため民間企業は常日頃から外交・防衛・経済安全保障に関する情報をキャッチ、分析をして、それが日本や自社の業界、さらに自社が実施している経営分野においてどのような影響があるのかを調べ、反映させる能力が求められるようになっていると感じます。
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