「実社会とつながる学び」で育む 未来を切り拓く主体性

中学校・高校を中心に探究学習のプログラム開発と支援を行なう株式会社ミエタ。実社会とつながるリアルな学びを生徒一人ひとりの興味・関心を起点に、主体的な学びを引き出している。代表取締役である村松知明氏に取り組みの狙いと成果などについて話を聞いた。

東大のプロジェクトで気づいた
偏差値主義への違和感

村松 知明

村松 知明

株式会社ミエタ 代表取締役
2008年東京大学工学部卒業。在学中、卒業生と在学生が交流する大学公式プログラム“知の創造的摩擦プロジェクト”の創設に携わり運営代表者として2,000名規模に育てる。新卒で三菱商事株式会社に入社し、中国やフィリピンで不動産事業等に8年間従事した後、2016年に株式会社ミエタを創業。

「私はいわゆる“偏差値主義”のレールにのってきた人間なんですよ」

そう語るのは、ミエタ代表取締役の村松知明氏だ。ミエタは「多様な人材が教育に携わる機会を創出し、学び手が“社会をつくり、社会でいきる”を実践することで、ともに自己実現を目指す」をスローガンに掲げ、次世代を担う中高生に対する探究学習プログラムを支援する教育系ベンチャーだ。

村松氏は、開成中学、東京大学を経て、三菱商事へと進んだ、まさに偏差値エリートの道を歩んできた。転機となったのは東京大学在学中に立ち上げた「知の創造的摩擦プロジェクト」。これは、卒業生と在校生が世代を超えて交流する東京大学の公式プログラムで、村松氏は立ち上げの際に代表を務め、卒業後も幹事として継続的に関わってきた。

「プロジェクトを通じて毎年2,000人の東大生を見てきましたが、自分のやりたいことを持っている学生が驚くほど少なかったんです。一方、三菱商事での仕事を通して、中国やフィリピンなどのアジア諸国が力強く成長しているのを目の当たりにしました。一生懸命勉強しているはずの日本がなぜ成長できないのか。偏差値の高い学校に行くことをゴールにするのではなく、中高時代に実社会とつながるような体験があれば、自分のやりたいことも見つかるのではないか。そうすれば、新しい社会をつくっていくような挑戦がもっと増えるのではと考えたのです」

(※全文:3548文字 画像:あり)

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