一杯のイタリアワインが教えてくれること
優れた造り手は、ブドウとワインを「育てる」と同時に、産地の名を世界へ押し上げ、次代の担い手を育てていく。ワインづくりの物語の奥には、人を育て、地域をつくる営みが、息づいている。
ブドウは醸され、そして「育てられる」。発酵を終えたワインを、造り手は時間をかけて養い、内に秘めた個性を引き出していく。一杯のイタリアワインの背後にある「育てる」仕事は、人を育てること、そして地域を育てることと、どこか響き合っている。
常識を変え、世界へ
そのことを体現したのが、バルバレスコの名を世界に知らしめたアンジェロ・ガヤ(1940年生まれ)である。創業は1859年、曽祖父ジョヴァンニ(初代)が自らの食堂で出すワインを賄うために始めた小さな蔵だった。アルバとフランス・モンペリエで醸造を、トリノ大学で経済学を学んだアンジェロは、1961年、21歳で家業に加わる。
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