「社会教育士」活躍促進への展望、多彩な分野で地域づくりを牽引

近年、地域コミュニティの基盤強化の必要性が指摘されている中で、社会教育に対するニーズは高まっている。中央教育審議会 生涯学習分科会 社会教育人材部会の部会長を務める東京大学大学院・牧野篤教授に、社会教育士の活躍促進への展望について話を聞いた。

社会教育士として
多様な人材が地域で活躍

牧野 篤

牧野 篤

東京大学大学院 教育学研究科 教授
中央教育審議会 生涯学習分科会 社会教育人材部会 部会長
名古屋大学大学院助教授・教授を経て、現在、東京大学大学院教育学研究科教授。博士(教育学)。著書は『人生100年時代の多世代共生――「学び」によるコミュニティの設計と実装』(編著)東京大学出版会、2020年。『公民館はどう語られてきたのか――小さな社会をたくさんつくる1』東京大学出版会、2018年ほか多数。中央教育審議会 生涯学習分科会 社会教育人材部会 部会長を務める。

── 文部科学省は令和2年度(2020年度)から「社会教育士」の制度を開始しました。社会教育士のニーズの高まりについて、どのように見ていますか。

社会教育は持続的な地域コミュニティの基盤形成に重要な役割を担います。近年、「学び」を通じて人々が協力し合える関係づくりの土壌が求められており、社会教育の重要性が高まっています。

もともと「社会教育主事」という、社会教育を行う人に対する専門的技術的な助言・指導に当たる教育職員の制度があり、社会教育法に基づいて教育委員会に置くこととされています。社会教育士の称号は、この社会教育主事になるために修得すべき科目等を定めた社会教育主事講習等規程の一部を改正してつくられました。

(※全文:3199文字 画像:あり)

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