リテンション研究の第一人者に聞く、人材が定着する組織の条件
人手不足が続く中、社員が育ち定着する組織をどうつくるか。リテンション研究の第一人者・山本寛氏は、その要諦を「対話」と「役割」の設計にあると語る。対話で成長実感を支え、役割を変えていく循環が組織の質を高める。
多様なキャリアが形づくった
リテンションの原点
山本 寛
青山学院大学 名誉教授
早稲田大学政治経済学部卒業後、日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)、千葉市役所に勤務。立教大学大学院文学研究科心理学専攻博士前期課程修了後、明治大学大学院経営学研究科博士後期課程に進学。青山学院大学経営学部教授を経て、2025年より同大学名誉教授。博士(経営学)。専門は人的資源管理論、キャリアデザイン論。
著書『人事労務担当者のための リテンション・マネジメント 人材流出を防ぐ実践的アプローチ』(日本法令、2025年)。人材定着に向けた具体策や、管理職の役割、人的資本経営との関係を解説する。
「就職活動の頃、自分を“適性病患者”と呼んでいました」
山本氏の問題意識の原点は、自身のキャリアの迷いにある。あらゆる業種に応募した末に銀行へ入行。窓口業務には苦労した一方、営業では成果を上げ、退職時には「銀行員らしい銀行員だった」と評価された。
同じ人間でも、配置が変われば能力の発揮のされ方は大きく変わる―この実感が、その後の研究の核となった。銀行員から市役所職員へ、さらに大学院で経営学を学び、研究者へ。多様な現場を経験してきたキャリアそのものが、「人と組織の関係」を問い続ける背景にある。
(※全文:2374文字 画像:あり)
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