学習eポータル「まなびポケット」教育ダッシュボードが実現する価値[AD]

教育データを集約・可視化し、学校経営等に役立てることができる「教育ダッシュボード」。文部科学省もその必要性を示唆するが、事例などの情報は多くはない。NTTコミュニケーションズの学習eポータル「まなびポケット」でプロダクトオーナーを務める稲田友氏が導入ステップを解説する。

データを可視化し施策等に活かす
「教育ダッシュボード」とは?

稲田 友

稲田 友

NTTコミュニケーションズ株式会社

文部科学省が昨年3月に公表した「GIGAスクール構想の下での校務DXについて」では、各種教育データを教育ダッシュボードで統合的に可視化し、学校経営・学習指導・教育政策の高度化を図ることの必要性が示された。NTTコミュニケーションズが提供する学習eポータル「まなびポケット」のプロダクトオーナーを務める稲田友氏は、教育ダッシュボードを作る場合、「どうやって?」の前に「何のために?」を見つめ直すことが大切だと話す。

「各教育委員会は、昨年閣議決定された『第4期 教育振興基本計画』を参考に、各教育振興基本計画の策定や見直しを進めているところだと思います。そこで、同基本計画で示された16の目標を参考に、『何のためにダッシュボードを作るのか』という目的や指標を徹底的に見つめ直すこともできるかと思います」

また、稲田氏は教育ダッシュボードでは、「学力調査の点数といった『結果指標』ではなく、学力を伸ばす要因となる『先行指標』をモニタリングすることで、より良い結果に導いていくことが求められます」と話す。

例えば、学力調査の見るべき先行指標は「主体的・対話的で深い学びになっているか」といった授業そのものや、学級経営の状態だという。これらの可視化は、結果として非認知能力や学力調査の値の向上にも直結するからだ。

さらに、稲田氏は教育ダッシュボードの作成において、教育データの関連性の整理も重要だと話す。

「自己肯定感や問題行動など様々な教育事象は、学びや学校生活等に影響されて生じるものであり、そうした構造を整理し、データとして捉え、教育ダッシュボードで示し、先行指標にアプローチするような様々な施策・政策に活かす。これがトップダウンで考える教育ダッシュボードの本質的な役割かなと捉えています」

ボトムアップで考える
教育ダッシュボードの作り方

学校現場での活用を踏まえると、業務実態や困りごとを正確に把握することで学校現場のニーズを満たしつつ、日々の業務に溶け込むような教育ダッシュボードを作成する必要がある。それゆえ、教育ダッシュボードを作る工程としては「事実の収集」「推論・示唆の発見」「ダッシュボードアイデアの創出」の3つのステップを踏むことが重要だ。

まずはインタビューや行動観察から現場の声を徹底的に収集する。このときに単にダッシュボードが必要かどうかを尋ねるのではなく、日々の業務や活動を洗い出し、具体的なストーリーを引き出しながら、課題や望ましい姿を見つけることが鍵になる。次に、インタビュー結果からニーズや課題を推論し、表面的な必要性ではなく真因となっているものや困りごとなどの示唆を整理する。そして最後に、示唆から必要な機能というアイデアの発見につなげていく。その際、教員の行動パターンや思考、感情を可視化するために、カスタマージャーニーマップを作成するのも一案だと稲田氏は提案する。

「例えば、朝のルーティン業務をお題に、先生方がどのような業務を、どのような思考や想いで取り組んでいるのかを時系列に沿って分類していくと、機能として提供すべきものが見えてきます」

教育ダッシュボードの中身が決まると、次はどのようなシステムで構築するかを検討する。文科省は構築方法に関して、①校務支援システムの拡張、②学習eポータルの拡張、③BIツールでの実装という3つの選択肢を提示している。いずれの選択肢を選ぶにせよ、教育ダッシュボードを実装する上で重要なのは、データを蓄積しているシステムとダッシュボード機能を備えたシステムなどのデータを、API連携によってスムーズにつなぐことだ。

「それゆえ、校務支援システムのパブリッククラウド化は避けて通れません。文部科学省も校務系・学習系のネットワーク統合と校務支援システムのクラウド化が必要だと示唆しています。現状では、ほとんどの教育委員会がパブリッククラウド化していないため、次の契約更新時にパブリッククラウド化は必須です。また、教育ダッシュボードの画面を設計する際は、利用者や場面でしっかり使い分けられるようにすることや、データの重要度だけでなく、更新頻度にも着目して画面を設計することが大切です」

可視化できるデータを拡張
「まなびポケット」のダッシュボード

これらの要点を踏まえて開発されたのが、「まなびポケット」が提供する教育ダッシュボードだ。「まなびポケット」は全国で12,500校以上の学校に導入され、学習eポータルとしてNo.1のシェアを獲得しているクラウド型教育プラットフォーム。「まなびポケット」を通じて教育委員会、学校管理者向けに提供される教育ダッシュボードは、作成負荷を軽減しつつも、学校現場で利活用され、行動変容につながるための工夫が凝らされている。

図表 ダッシュボードで可視化できるデータの拡張

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「まなびポケット」は、校務支援システムやデジタル教材・ツールとの連携で、保健室利用の状況や成績情報の要点を確認可能にしたり、授業支援システムやAIドリルの詳細な利用状況・学習結果など、可視化できるデータを拡張していく予定。また、CSVなどで学力調査やアンケートなどのアナログでの活動情報を取り込んで可視化も行っていく。さらに、メンタルヘルスの悪化やSOSの兆候を早期に発見できる「心の健康観察」も来年度早々に追加される予定だ。

これらのデータは画面上でカードとして表示されるが、学校ごとに重要な指標や数値が異なるため、カードの追加・削除や拡大・縮小といったカスタマイズが自由にできる仕様なのも大きな特長だ。

最後に、稲田氏は「私たちは『誰もが自分らしく学べる社会』の実現をビジョンに掲げています。今後は教職員や教育委員会の方々向けのデータの分析・可視化にとどまらず、児童生徒にデータを還元していくことで主体的な学びを支えるとともに、保護者や地域にも還元していきたいと考えています」と締めくくった。

【お問い合わせ】

NTTコミュニケーションズ株式会社
mail:ed-cl@ntt.com

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