広がる総合型選抜入試、「自分構想」で理想の姿を構築し実現する人材育成を

社会構想大学院大学(学校法人先端教育機構)は6月12日、オンラインセミナー&説明会「最新の大学入試事情を受験のプロが解説 総合型選抜入試の攻略法」を開催した。講師は、同大学教授で学びエイド代表取締役社長の廣政愁一氏。当日は200名近くの塾関係者や学校教員が参加した。

大学入試改革で、学力の3要素(①知識・技能②思考力・判断力・表現力等③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)を多面的・総合的に評価する流れの中で、大学の合格者数における推薦型選抜および総合型選抜の比率は年々高まり、2020年には私立大学入試全体の58%に上っている。特に、2021年度入試よりAO入試から名称の変わった「総合型選抜入試」は、選考方法の多様さなどから高校の進路指導や塾・予備校なども対応に苦慮しているところが多い。

図1 総合型選抜で求められるキャリアデザイン「自分構想」

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セミナーでは、総合型選抜は一般選抜で問われる学力に加えて、「実績」と「理念」が必要だと示された。各種コンテストにおける成績や論文、留学経験、その他意欲的な活動などの実績と、そうした経験や知識をもとに大学入学後にどういった活動をしたいかという理念が問われるのだ。

表1 大学入試と就職活動の選考内容の比較

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従って、総合型選抜は入試制度の一つ、もしくはゴールとして見るのではなく、キャリアパスや自己実現の一部として捉えるべきだと廣政氏は提案した。旧来のAO入試は就職活動に似ていたが、総合型選抜はさらに先を見通した「キャリアデザイン」だと言える。

こうした選抜を勝ち抜くためには、廣政氏は「自分構想」が必要だと主張する。構想とは理想の姿の構築であり、構想とそれを実現するための構想計画を考えることが重要だ。そのためには、まずは自分を知ることから始め、その後、理念や戦略について考えていく。経験や知識という過去から、今を見つけ、未来を構想するのだ。

学校法人先端教育機構は、高校生を対象とした総合型選抜の対策を専門とする教育課程を提供する「塾・自分構想」を、2022年7月に開設する予定だ。産官学との強いつながりを持つ同法人は、新しい教育デザインを研究する社会構想大学院大学や、構想教育・アントレプレナーシップ教育の知見の豊富な事業構想大学院大学のリソースを活かし、自身の構想を実現し、企業・地域・社会に新たな価値を創出する人材育成を目指す。

2022年7月開設予定
塾・自分構想
総合型選抜専門塾
https://www.juku-jibunkoso.jp