自治体で進む高校の授業料無償化 その意義と課題を考える
政府が世帯年収の上限がある高校授業料の支援を実施する中、大阪府や東京都が高校授業料の無償化を打ち出し、大きな注目を集めている。高校の授業料の無償化の意義や留意点等について、教育行政学を専門とする帝京大学教育学部准教授の小入羽秀敬氏に話を伺った。
東京都や大阪府で進む
高校授業料の無償化
小入羽 秀敬
── 大阪府や東京都が高校授業料の無償化を打ち出しています。
自治体で授業料無償化の施策が進むこと自体は、肯定的に捉えています。高校進学率が約98%に達し、私立高校は全国平均で約27%を占めています。そうした中、世間一般のイメージとして、「私立高校は贅沢だ」とか、あるいは「お金がなければ公立に行けばいい」という声も聞かれますが、受験の結果として、私立高校以外に選択肢がない生徒も結構多いはずです。
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