自治体で進む高校の授業料無償化 その意義と課題を考える

政府が世帯年収の上限がある高校授業料の支援を実施する中、大阪府や東京都が高校授業料の無償化を打ち出し、大きな注目を集めている。高校の授業料の無償化の意義や留意点等について、教育行政学を専門とする帝京大学教育学部准教授の小入羽秀敬氏に話を伺った。

東京都や大阪府で進む
高校授業料の無償化

小入羽 秀敬

小入羽 秀敬

帝京大学教育学部 准教授
博士(教育学)。専門は教育行政学。主な研究は、教育政策、教育財政、私学行政など。広島大学高等教育研究開発センター研究員や、帝京大学教育学部助教を経て2019年より現職。主な著書に『私立学校政策の展開と地方財政――私学助成をめぐる政府間関係』(2019年、吉田書店)。

── 大阪府や東京都が高校授業料の無償化を打ち出しています。

自治体で授業料無償化の施策が進むこと自体は、肯定的に捉えています。高校進学率が約98%に達し、私立高校は全国平均で約27%を占めています。そうした中、世間一般のイメージとして、「私立高校は贅沢だ」とか、あるいは「お金がなければ公立に行けばいい」という声も聞かれますが、受験の結果として、私立高校以外に選択肢がない生徒も結構多いはずです。

(※全文:2494文字 画像:あり)

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