AWSクラウド活用で大学DX加速、教育・研究・経営/事務の変革へ[AD]

九州大学は2017年からAWSを教育システム等に活用、昨年度はオンライン授業に向けて、クラウドの柔軟性を活かしシステムを増強させた。さらに教育に関するデータの蓄積や活用、分析を進めることで、より良い学習や教育、学習環境の実現を目指している。

2017年にAWSクラウドへ移行
九州大学の大学DX

島田 敬士

島田 敬士

九州大学 情報統括本部 教育基盤事業室 室長

九州大学は教育DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のため、総長のリーダーシップで全学の教学マネジメントを行う「教育改革推進本部」を設置。さらに、教育DXを実施するために、ラーニングアナリティクス(LA)センターと教材開発センターの2つを設けている。前者は教育データに基づく教育・学習支援を、後者は学びの質向上に向けた教材開発を行う。

現在は、大学の全構成員(学生約19,000人、教職員約8,000人)が利用できる教育システムを展開。これは教育ビッグデータの蓄積基盤にもなっている。2013年には全教室に無線LANを入れて、学生のパソコンを必携にし、2017年には学習支援システム等をアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)に移行し、運用負荷削減を実現。コロナ禍に伴うオンライン授業の増加においてもクラウドの高いアジリティを活かし、安定した学習環境を提供している。

クラウドのメリットを活かして
サーバー構成の強化を実現

AWS上には現在、e-Learning、e-Portfolio、e-Bookの3システムからなる「M2B学習支援システム」を稼働させている。コロナ禍で昨年度の授業開始は5月になり、4月は準備期間に充てられた。そこではオンライン授業に備えてスペックを大きく変更、CPU(中央処理装置)のコア数やメモリを倍増させて約8,000人の同時接続を想定したサーバー構成にした。

「昨年度は例年と比べ、CPU負荷が一気に上昇しました。ピーク時には85%程度となり、事前にサーバーの構成を変えていなければダウンしていたと思います。こうした柔軟な対応ができたのは、AWSクラウドのメリットです」と、九州大学 情報統括本部 教育基盤事業室室長の島田敬士氏は説明する。

クラウドでのシステム運用には、他にも様々なメリットがある。九州大学では、教育データをワンストップ化し、大きなデータベースを作る取組みもクラウド上で進めている。さらに、従来は点在していた学習支援窓口をワンストップ化する構想も動いている。

また教育データを分析し、その結果を教員や学生にフィードバックすることで、より良い学習環境を実現させる取組みも進めている。「特にリアルタイムのフィードバックは、教員はそれに対応した授業ができるほか、学生は他の学生の学習活動を把握し、自身の学習に活かすこともできます」。

例えば講義中、教員が説明している資料のある頁に対し、学生が同じ頁を開いているかどうかが可視化される。また、学習ダッシュボードを通じて、学生の教材へのアクセス状況をリアルタイムで分析することも可能だ。さらに資料の中で、学生がマーカーを引いた単語のランキングなども表示できる。

学生側は自分の学習状況を他の学生と比較分析できるほか、自動抜粋の機能を使って自ら教材の要約を作成することもできる。さらに、学習要点や理解のノウハウを投稿し、他の学生と共有する取組みも始まっている。このほか、小テストの結果分析や、学生の理解状況に応じた補足教材の推薦なども行われている。

大学DXのトレンドと
AWSのクラウド学習プログラム

図 大学DXのトレンド

九州大学におけるこれらの取り組みを支えているのがAWSだ。アマゾン ウェブ サービス ジャパン パブリックセクター営業本部 アカウントエグゼクティブの田代皓嗣氏によれば、「AWSクラウド活用の真価はお客様が本来フォーカスすべき価値提供に集中する環境を提供できること」だという。

大学教育におけるDXでは、現在、データ駆動型教育への転換とデジタル社会を担う人材育成という2つのトレンドがあり、これらにAWSが活用されている。また、研究への活用では研究の迅速化、最新のテクノロジーの活用という2つのトレンドがある。「研究でAWSが活用される理由には、研究の本質に集中できる、研究を加速できるという主に2つがあると理解しています」(田代氏)。

一方、大学の経営事務は、システムを所有から利用に転換するパラダイムシフトが起きている。システムをサービスとして利用することで、初期投資の抑制やコストの最適化など様々なメリットがある。

さらにAWSでは教育機関に対し、AWSエデュケーションプログラムによるクラウド学習を提供している。現在、日本で展開されているのはAWS Academy、AWS Educateの2つ。

AWS Academyは主に18歳以上の学生にフォーカスしたクラウド教育のカリキュラムで、初級コースと中級コースがある。完全日本語化されており、加盟は教育機関単位でできる。各コースはビデオのレクチャーモジュールや無償利用できるラボ演習環境が用意され、大学の既存コースやカリキュラムに組み込んだクラウド学習が可能だ。

田代皓嗣(左)アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 パブリックセクター 営業本部 アカウントエグゼクティブ<br>今井千晴(右) パブリックセクター シニア エデュケーション プログラムマネージャー

田代皓嗣(左)アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 パブリックセクター 営業本部 アカウントエグゼクティブ
今井千晴(右) パブリックセクター シニア エデュケーション プログラムマネージャー

「初級コースは加盟後すぐ利用できますが、中級コースでは先生方に講師の認定資格を取得していただきます。その分、先生方へのサポートを充実させています」。アマゾン ウェブ サービス ジャパン パブリックセクター シニア エデュケーション プログラムマネージャーの今井千晴氏は言う。

一方、AWS Educateではセルフラーニング形式のコンテンツを利用できる。14歳以上の学生が自由に学習できるコースが用意され、学生が個人で加盟し、学習を進めることも可能だ。国内では、例えば職業能力開発総合大学校が2019年にAWS 教育プログラムを導入。全国からの参加者がいる研修で、AWSのクラウド学習カリキュラムを活用している。昨今では、情報系の学部、研究科だけでなく、国際政治経営学科など、いわゆる文系のコースでもAWSのクラウド学習を取り入れている大学が増えてきている。

「AWSクラウドは、既に数多くの大学の教育、研究、経営事務で活用されています。ウェブブラウザから気軽に始められるので、ぜひ皆様に活用していただきたいです」(田代氏)

【お問い合わせ】

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
パブリックセクター営業本部

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