哲学原理とエビデンスをもとに学びの構造転換を支援

初等中等教育における「学びの構造転換」を実現するべく、2023年4月に設立された「一般社団法人School Transformation Networking(ScTN:スクタン)」。教育哲学の知見に基づき事業を展開する同法人の立ち上げの背景や活動について、代表理事の山口裕也氏に話を聞いた。

変わりゆく教育の在り方と
変化へのぬぐえない懸念

山口 裕也

山口 裕也

一般社団法人School Transformation Networking 代表理事
独立研究者、主な研究領域は心理学、教育学、哲学。博士課程在学中の2005年から研究員として杉並区教育委員会事務局杉並区立済美教育センターに在籍、同センター調査研究室長や東京学芸大学非常勤講師、さらに杉並区教育委員会主任研究員を経て、現在は独立研究者として活動。主な著書に『教育は変えられる』(講談社)。

── 今年4月に一般社団法人を設立した背景をお聞かせください。

山口 いま、「学びや教育の在り方を根本から考え直さねばならない」という問題意識は、多くの教育関係者が共有するところかと思います。

2017年の学習指導要領改訂、2019年末からのGIGAスクール構想、さらに2021年に中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」が出され、私たちが「学びの構造転換」と呼ぶ学びや教育の在り方を根本から見直す取り組みに関心を寄せる学校や教育委員会が増えてきた実感があります。

(※全文:3816文字 画像:あり)

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