文部科学省「土曜学習応援団」実施レポート 小中学生が地域の課題解決に挑戦

文部科学省の「土曜学習応援団」の一環として、事業構想大学院大学は、静岡市立大川小中学校の「総合的な学習の時間」において、地域資源の発見・活用のためのアイデアづくりの授業を実施した。

事業構想大学院大学は、企業や大学が小中高の学校などに多様な教育プログラムを提供する、文部科学省の「土曜学習応援団」に登録している。その活動の一環として、事業構想大学院大学は、2022年6月29日、静岡市立大川小中学校の「総合的な学習の時間」において講義とワークショップを実施した。

過疎化・高齢化が進む地域で
課題や魅力を発見

同校のある大川地区は、静岡県中部に位置する美しい山間地域。日本の山間地域全般に共通する深刻な過疎化・高齢化が急速に進み、同校も小中学生全員で17名という小規模な学校だ。

同校の総合的な学習の時間「おおかわ学」では、大川地区の人・もの・ことについて、各児童・生徒が主体的に、探究的な見方・考え方を働かせて、地域の課題や特徴、良さ等を発見し、課題解決に取組むために必要な知識や技能を身につけることを一つの目標としている。小中学校の9年間を通した学習で、学年ごとに深めるテーマを決め、中学3年では課題を解決するための独自の提案を考え、発表を行う。

そうした背景を踏まえ、今回の授業では、地域おこしに必要な知識と方法をテーマとして、人口減から見た日本の地域の現状・将来に関する知識、及び、地域資源の発見・活用のためのアイデアづくりの原理と方法について、講義とグループワークを行った。

地域資源を活用し
地域おこしのアイデアへ

ワークでは、前提となる専門知識がなくともアイデアづくりの原理を感覚的に実践できるよう、各児童・生徒がこれまで調べ、発掘してきた地域資源をベースとした。それらに、しりとり法により抜き出したランダムワードを様々な形で掛け合わせ、ブレーンストーミングによってアイデアづくりを進める方法を紹介した。

最初は緊張からか、なかなかアイデアが出なかったが、講師や担任教員らのアドバイスや投げかけを受けるなかで空気も和み、徐々に議論が盛り上がり、結果的には、面白く魅力的なアイデアが多く発表され、今後の同校の取組や実践につながる充実した時間となった。

終了後、児童・生徒からは「アイデアづくりは誰にでもできることに気づいた」「アイデアは材料の組み合わせであることがわかった」という感想が多く寄せられ、前向きな姿勢を見て、小中学校の9年間を通した最終の提案にも期待が膨らむ。

本学の事業構想、また地域活性の考え方やワークの内容は小中学生に対しても意義があることを実感し、今後も広く全国の若手教育に寄与していきたい。

静岡市立大川小中学校にて、小中学生を対象に出前授業を実施

しりとり法、ブレーンストーミングを活用し、グループで地域おこしのアイデアづくりを行った

▼文部科学省「土曜学習応援団」について
https://manabi-mirai.mext.go.jp/program/index.html