ICT機器導入例・大型提示装置が広げる地域に開かれた授業の可能性[AD]

1人1台端末の導入とともに増える、大型提示装置の活用。ソニーの法人向けブラビアを使った大型提示装置を試験導入する品川区立御殿山小学校ではICT機器を活用し、新たな授業のあり方を模索する。地域や企業と協力した教育の実践について聞いた。

近隣の企業と連携、
地域で学校教育を支える

右から/品川区立御殿山小学校 校長 齋藤 早苗氏、副校長 津田 圭介氏、学校地域コーディネーター 土屋 智宏氏

右から/品川区立御殿山小学校 校長 齋藤 早苗氏、副校長 津田 圭介氏、学校地域コーディネーター 土屋 智宏氏

品川区では“地域とともにある学校づくり”を目指し、2016年度から2018年度にかけ、全小学校・中学校・義務教育学校を『品川コミュニティ・スクール』として指定した。これは、学校と地域が連携して子どもたちを育てていく枠組み。学校と地域が一体となって継続性を保ちながら、教育活動の改善や活性化を図る。品川区立御殿山小学校もコミュニティ・スクールとして、地域と一体となった教育活動を展開している。

コミュニティ・スクールにおいて『学校地域コーディネーター』として学校と地域をつなぐ役割を担う土屋氏は、自身の役割を「学校だけで学びや子どもたちに向き合うのではなく、家庭や地域、企業と一体となり教育現場を支えていくために、校内と地域との連絡・折衝などを担当しています」と語る。

地域に開かれた学校として近隣の企業との連携を広げるなかで、隣接するソニーとの協力関係が生まれ、今回のブラビアの試験導入へと発展した。

GIGAスクール構想で1人1台配布された端末と法人向けブラビアのような大型提示装置をどう組み合わせて授業するかは、重要なポイントとなる。

「地域に支えられて学校がある一方で、学校があるからこそ地域があるとも言えます。学校の隣に先進的な企業があるというのはこの地域ならではの特長でもあります。こうした地の利を活かし、先進的な学びを進めていければと思っています」(土屋氏)

高輝度・高精細で子どもも注目、
板書との併用でメリット発揮

ソニーの4K大型提示装置・ブラビアは、高輝度・高精細・大画面であることが特長だ。①教室のどこからでも明るく見やすく、クラスで一体感のある授業ができる、②鮮明な映像とクリアな音で活気ある遠隔授業が可能、③高精細な映像を提示することで理解が深まり、子どもの学習意欲も高まる、といった理由で、すでに複数の教育機関に導入されている。

ソニーのブラビアを用いた6年生の社会科の授業。伊藤教諭(中央)が子どもたちに質問を投げかけながら授業を進める

ソニーのブラビアを用いた6年生の社会科の授業。伊藤教諭(中央)が子どもたちに質問を投げかけながら授業を進める

御殿山小学校では、GIGAスクールにより1人1台端末の支給が完了した今年春に法人向けブラビア3台を試験導入。65V型の大型ディスプレイはスタンド設置のため移動ができ、Web会議がインストールされているPCとHDMIケーブルで接続することで、授業以外にも体育館の様子をエントランスで中継したり、式典の際に式次第を表示したりと、幅広く活用している。

校内でICT担当として機器の導入、活用を進める6年担任の伊藤教諭は、「各教室にはプロジェクターも配備されていますが、プロジェクター使用時は黒板が半分以上隠れてしまいます。板書と並行して資料を表示できる点にメリットを感じます」と話す。

子どもたちの端末には授業支援システムがインストールされており、大型提示装置の画面と同じ資料を手元で表示したり、指定した子どもの回答を表示したりもできる。

子どもたちの目線の先に大型提示装置と個別の端末があると、どちらに意識を集中させるかが難しいが、伊藤教諭はタイマーを使い、ブラビアを見ながら説明する時間、子どもが自分で考え調べる時間、発表の時間、と時間を区切り、授業にメリハリをつけている。

「全員で同じものを見る時間、個人で考える時間というのは、切替えの難しい子どももいます。発表の時間を設けることで、大型提示装置に映っているものを全員で一緒に見て考えや議論を深めるなど授業進行を工夫しています」(伊藤教諭)

プロジェクターやブラビアのようなICT機器を活用することで、教師自身の資料作成の時間は大きく短縮されている。大画面で4Kの高精細な画像を提示できるブラビアは子どもたちの反応もよく、集中力・理解力が上がっている手応えもあるようだ。

ICT導入と並行して
「心のつながり」を育む

コロナ禍で休校やマスク登校を余儀なくされるなか、「最初にソニーの大型提示装置を使ったリモート授業をしたとき、久しぶりに子どもたちのマスクなしの笑顔を見られたのが、とても感動的でした」と齋藤校長。

対面と同じように子ども一人一人の顔をしっかり見ながらの授業を遠隔で行うことができるのは、大画面・高輝度・高精細のブラビアならでは。普段の教室で使用する際も、カーテンを閉めて電気を消す必要がなく、資料を映すために授業を止める必要がないことも魅力。

一方で、「教育機材の高度化に伴って管理職としては危機管理の必要性を感じている」(齋藤校長)ともいう。また、ICT機器によって教員の業務は効率化するが、子どもは調べ学習など個人でできることが増える分、違うことを調べていたり、間違った情報を調べてわかった気になっていたりするケースも出てくる。ICT機器の利用にあたり利用範囲の自由度をある程度確保したうえで、いかに自律的な多様性を育てていくかは今後の課題といえそうだ。

「ICT機器があるだけでは、学びは進化しません。ICT機器の活用によりできた時間を使って子どもとリアルで触れ合い、今よりももっと、子どもたちとの心のつながり、信頼関係を築いていく必要があると感じています。“通学しなくても学べる時代”が近づくなか、ICT機器を活用し、学校で何を育てていくのか、非常に重要な問題を突き付けられていると感じます」(齋藤校長)

過渡期ではあるが、ICT機器を活用することで、学びの可能性が大きく広がることは間違いない。御殿山小学校では、教室にいながらシアトルの日本語補習校や大阪の企業と相互学習をオンラインで行うなど、世界や世代を超えた出会いの場を多く提供し、視野を広げる活動も実施している。

ICT化推進に積極的に取り組む津田副校長は、現在、放送室をテレビ局化する構想も温めている。

「ブラビアやiPadを導入したことで、音声だけの発信から動画配信へと発想が広がりました。子どもたちが自分たちで作った動画を昼休みの教室に向けて生放送し、さらに、地域へも発信できれば面白いと考えています。ICT機器を活用することで子どもの表現力を育てる、さらには地域愛や地域とのつながりも強めることができればと思っています」(津田副校長)

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