武雄市こども図書館 こどもと家族の生活を豊かにする家のような存在に

2017年に開館した「武雄市こども図書館」は、本と体験が融合し、かつ、子育て支援や多世代交流も実践する新しい施設だ。教育プログラム設計と空間設計を統合した新しい学び場として評価され、2020年度グッドデザイン賞を受賞した。

プレイ&ワークスペース
矢島 進二(やじま・しんじ)

矢島 進二(やじま・しんじ)

公益財団法人日本デザイン振興会理事 事業部長。1962年東京生まれ。1991年に現財団に転職後、グッドデザイン賞を中心に多数のデザインプロモーションに従事。東海大学、九州大学、武蔵野美術大学等で非常勤講師。

図書館が地域のシビックプライドを醸成する事例が各地で誕生して久しい。例えば、武蔵野プレイス(東京)、札幌市図書・情報館(北海道)、都城市立図書館(宮崎)、延岡市駅前複合施設エンクロス(宮崎)などは、従来の図書館の概念を超え、住民の日常の中に溶け込み、帰属意識向上や、引越や移住の理由になるなど、高い社会的意味を備えている。

そうした図書館の在り方を変えたエポックが、2013年に誕生した武雄市図書館だ(2013年度グッドデザイン金賞受賞)。年中無休で21時まで開くといった公共施設ではなし得ない機能を実現し…

(※全文:831文字 画像:あり)

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