教え方と学び方のログを分析し、効率の良い個別最適な教育を実現

GIGAスクール構想による「1人1台」端末の配備が完了し、教育・学習活動に関する膨大なデータ「学習ログ」が生じている。こうした学習ログデータを利活用する「LEAFシステム」を開発した京都大学の緒方広明教授に、「LEAF」の特徴やデータ利活用の実際について話を伺った。

ラーニングアナリティクスは
世界で注目される研究分野

緒方 広明

緒方 広明

京都大学 学術情報メディアセンター 教授
一般社団法人エビデンス駆動型教育研究協議会 代表理事
徳島大学工学部知能情報工学科を卒業後、同大学大学院工学研究科博士後期課程で博士(工学)を取得。徳島大学工学部知能情報工学科助教授、コロラド大学ボルダー校計算機科学科客員研究員、九州大学基幹教育院教授、九州大学ラーニングアナリティクスセンターセンター長などを経て、2017年から現職。2021年エビデンス駆動型教育研究協議会を設立、代表理事に就任。文部科学省「教育データの利活用に関する有識者会議」委員。

コロナ禍の影響もあり、小・中学校から大学等に至るまで、タブレット端末等を用いた授業のオンライン化が一気に進んだ。それに伴って、教育・学習活動に関する膨大な量のデータ「学習ログ」が生じている。蓄積したデータを分析して学習指導に役立てる取組みは、ラーニングアナリティクス(以下、「LA」)と呼ばれ、世界的に注目を集める研究分野のひとつとなっている。

国内におけるLA分野の第一人者である緒方広明氏は、一般社団法人エビデンス駆動型教育研究協議会の代表理事としてデジタル学習環境『LEAF(リーフ)』の導入を教育機関に勧めながら、京都大学の学術情報メディアセンター教授としてLAの研究を進めている。

「学習者ごとに個別最適化された指導や学習環境の提供を可能にすると同時に、…

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