大学DX、規制改革、ガバナンス改革、いま必要な大学改革とは何か?

社会が大きく変わりつつある中で、知の拠点たる大学には、様々な面で、大きな期待が寄せられている。Society 5.0時代に向けて、いま必要な大学改革とは何か。規制改革、大学DX、ガバナンス改革などの観点からその方向性を探る。

大学を取り巻く規制改革
オンライン教育と施設要件の緩和

社会が大きく変化していく中で、知の拠点たる大学には、日本を牽引するイノベーション創出や、予測不可能な時代で生き抜く人材育成など、様々な期待が寄せられている。そうした中で、いま大学には、質の高い教育や研究力強化の土台となる、DX推進・ガバナンス改革といった制度面の改革と、大学設置基準における規制改革が求められている。

規制改革は、大学設置基準におけるオンライン授業の上限規制が大きな課題だ。コロナ禍によって、対面授業とオンライン授業を併用する、いわゆるハイブリッド授業の活用が広がった。一方、大学設置基準では、卒業に必要な124単位の約半分に当たる60単位をオンライン授業による修得単位数の上限としている(大学設置基準第32条第5項)。

また、キャンパスをもたない米国のミネルバ大学が創立数年で、全米最難関校になった通り、大学設置基準で定める施設等の物理的な制約に対する規制緩和の声も上がっている。

これらに関して、内閣府の規制改革推進会議でも、「オンライン授業等に係る単位上限の見直し、ルールの明示化」※が盛りこまれ、「規制改革の主な取組(2021年12月)」の中でも「オンライン授業の算入上限やフィジカルな…

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