Ponteとやま 誰もが凸凹を活かし生きていく 新しい居場所をつくる

Ponteとやまは、コミュニティカフェやシェアハウスを運営するほか、就労支援(特別養護老人ホーム清掃業務)も提供。不登校や発達障害などがある人も含めて、いろんな子どもや若者が“ごちゃまぜ”になり、それぞれの凸凹(得意不得意)を活かせる居場所づくりを行っている。

支援する側・支援される側の
固定化した関係に違和感

水野 カオル

水野 カオル

一般社団法人Ponteとやま 代表理事
1964年生まれ。金沢大学教育学部を卒業後、21年間教員として公立学校(ろう学校、養護学校(現支援学校)、小学校特別支援学級)に勤務。2009年3月退職。その後、富山大学学生支援センターコーディネーター等を経て、2014年7月、加藤愛理子氏と共に一般社団法人Ponteとやまを設立。


加藤 愛理子

加藤 愛理子

一般社団法人Ponteとやま 理事
1955年生まれ。慶應義塾大学を卒業。大阪教育大特別専攻科言語障害児教育課程を修了、発達障害について学ぶ。富山YMCAフリースクールにて、国語科講師(1994~2014年)と「Y' sさくらカフェ」(2003~2014年)を担当。2014年、富山県砺波市に移住し、自宅の敷地内に「みやの森カフェ」を開設。同時に、水野カオル氏と一般社団法人Ponteとやまを設立。

富山県砺波市において、一般社団法人Ponteとやまが発足したのは2014年8月。設立の背景には、代表理事の水野カオル氏と理事の加藤愛理子氏が教育現場で抱いてきた問題意識、生きづらさを抱える子どもや若者に対する支援拠点の多くが「支援する側」「支援される側」の固定化した関係で成り立っていることへの違和感があった。

水野氏は公立のろう学校や養護学校、小学校の特別支援学級などで計21年間教諭として勤務した。長年の現場経験を通じ、「学校は子どもを評価すると同時に、自分も評価される場所」であることに息苦しさを感じていた。

「成長がゆっくりな子であっても、学校では他の子と同じ枠組みで『評価』することが求められます。また、卒業後の行き先が決まっていなくても、時期が来たら必ず卒業しなければならず、社会に出てから問題が噴き出すことも多くあります。そうした課題を感じ、学校の外に出て地域の中で子どもたちをサポートしたいと思いました」(水野氏)

一方、加藤氏は35歳で大阪教育大学特別専攻科に入学し、言語障害児の教育について本格的に学んだ後、約20年にわたり富山YMCAフリースクールの国語科講師やコミュニティカフェの運営に携わった。そのカフェには、…

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