校務や授業の一部からデジタル化し教員が便利さを実感することが大切[AD]

県立学校のICT環境整備が一段落する中、その活用に向けた施策に力を入れる愛知県教育委員会と、生徒も教員も使いやすいICT総合学習アプリ「ClassPad.net」を提案するカシオ計算機がトークセッションを行った。ファシリテーターは、事業構想大学院大学教授の渡邊信彦氏が務めた。

ICTの環境整備を進める上で
重要な4つのポイントとは?

上嶋 宏

中央/古関 利勝 愛知県教育委員会 学習教育部 ICT教育推進課 担当課長
右/上嶋 宏 カシオ計算機株式会社 教育BU 商品戦略部 戦略部長
左/渡邊 信彦 事業構想大学院大学 教授

愛知県内の県立学校(高校・特別支援学校)では、ICT環境の整備が急速に進んでいる。2019年度には、正規教員全員にタブレット端末を配布。また、GIGAスクール構想の補助金等を活用し、全校に校内LANを整備。さらに公費で児童・生徒全員に、タブレット端末を配備した。今年4月からはICT教育の推進体制強化のため、県教育委員会管理部教育企画課のICT関連業務を学習教育部に移し、ICT教育推進課として独立。同課では、基盤整備とICTに関する研究・研修を行っている。

「従来はICTの環境整備が中心でしたが、昨年度からはICT活用に向けた施策の比率が高まっています。県は今年度、情報通信技術支援員(ICT支援員)の派遣も始めました。また、県内の市町村間で活用状況に差があるため、その差を解消するための方策も検討しています」

愛知県教育委員会学習教育部ICT教育推進課担当課長の古関利勝氏は、こう語る。古関氏はICT教育の発展における重要な点として次の4つを挙げる。第1に、予算の確保だ。2019年の教育用コンピューター配備状況に関する調査で愛知県は47都道府県中、最下位だったが、現在は全国トップレベルに。古関氏によれば、この躍進は交付金や補助金を活用し、予算確保に尽力した結果だという。

第2に、ICTを苦手とする教員に簡単なことから取り組んでもらい、「裾野」を広げること。このため、同課では昨年、「ICT簡単ワンポイント」という動画を作成し、YouTubeの限定公開動画として配信している。

第3に、授業より先に校務でICTを活用することだ。「例えば、保護者宛の文書をメールの一斉配信で済ませて便利さを実感すれば、授業の課題配布にも応用できます。そうしていけば、学校現場にICTが浸透していくはずです」。第4に、教材デジタル化のメリットを教員に伝えていくこと。例えば、動画等を作れば、繰り返し再生して使えるほか、課題提出は提出日時の記録も残せる。

カシオ計算機のICT総合学習
アプリ、ClassPad.net

Gショックなどの時計や電卓で知られるカシオ計算機は、世界100か国以上で教育ツールを展開する教育企業でもある。その代表的な製品は、関数電卓と電子辞書だ。

「国内ではコロナ禍で教育のICT化が加速したほか、教育現場では1人1台端末の導入が一段落し、活用の成果が求められる段階になっています。こうした状況を踏まえ、カシオ計算機が提案するツールがClassPad.netです」とカシオ計算機の上嶋宏氏は言う。ClassPad.netは「すぐに・どの教科でも・誰でも」使えることを目指した「オールインワンのICT総合学習アプリ」で、主に電子辞書機能とデジタルノート機能という2つの機能がある。

電子辞書機能では、様々な辞典を調べて物事を多面的な角度から捉えられるほか、例文・成句を検索したり、マーカーを引いた単語の登録もできる。デジタルノート機能では、テキストや手書きのメモ、画像・動画、ウェブページのリンクなどをノート上に配置できる。これら2つの機能は同時に使えるので、機能の切り替えで学習が途切れることはない。さらに数学ツールも組み込まれ、数式のグラフ化や図形等の描画、統計データから統計グラフへの変換などの機能も使える。

ClassPad.netを導入した学校では、先生が板書の代わりに使ったり、授業中に生徒との間で課題を送受信するといった授業支援で機能を発揮。また、付箋に音声を録音する機能もあるため、スピーキングの課題提出にも活用している。

「ClassPad.netは、教材を見て考えをまとめるところ、そして先生と生徒がやり取りするところまで、1つのアプリで実現できるので、ソフトを使い分ける必要がなく、学びに集中できます。また、『探究の授業にも最適』、『アクティブラーニングにも活用できる』といった評価もいただいています。ウェブページからの申し込みで基本機能を無償で試せるので、ぜひご活用いただきたいです」

図 ClassPad.netの授業活用例

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先生たちの意見を取り入れ
進化を続けるClassPad.net

1人1台端末は整備されたものの、「何から始めれば良いかわからない」と感じている先生も多い。上嶋氏は、「まず既存の授業のプロセスを変えることなく、その一部を試しにデジタル化してみれば、自ずと良さがわかります」と語る。

ただ、最大の課題は、アプリやコンテンツに対する予算の確保が難しい点だ。「多くの自治体では、予算に関する議論が進んでいません。今は無料のツールが使われていますが、本当に活用して結果を出すとなると、どこかで限界が来るでしょう」(上嶋氏)。この点について古関氏は、「まずは無償のお試しを使った先生方から、『これは良い』という声が集まれば、予算の獲得はしやすくなります」と述べ、「ICT活用に向けては、まず教員にメリットを実感してもらうことが大切です」と指摘した。

例えば、学校行事に関するアンケートをデジタル化し、行事終了後にQRコードを使って参加者に記入してもらえば、翌朝には集計結果が出せるといった便利な使い方もある。

「先生方に便利さを実感してもらえば、すんなりデジタル化を進められると思います。また、私たちが今年度から派遣しているICT支援員も現場で好評なので拡充していきたいですね」(古関氏)。

ClassPad.netは昨年4月にβ版がリリースされ、その後も2か月に1回、現場の先生の意見を取り入れて進化している。「今年は導入支援のサービスも始めており、ICT活用の第一歩に最適なツールを目指したいです」(上嶋氏)。ファシリテーターの渡邊信彦教授は「皆が早くツールとしてICTを使いこなし、教育がより良くなるような使い方ができれば良いと思います。今後も、情報交換や協力をしながらICT活用を進めていきたいです」と述べて、トークセッションを締めくくった。

【お問い合わせ】

カシオ計算機株式会社
E-mail:classpad-japan@casio.co.jp
トライアル版のお申込みはこちら
URL:https://casio.link/3eDiAOo

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