教育先進国フィンランド 子どもの将来を見越した教育

国連の世界幸福度ランキングで2年連続1位のフィンランド。教育分野でも先進的な取組みが注目を集め続ける同国の最新状況を紹介する。

点数に縛られないフィンランド

上松 恵理子(うえまつ・えりこ)

上松 恵理子(うえまつ・えりこ)

博士(教育学)。中学校・高等学校勤務の経験からICT教育の研究と実践に取り組む。武蔵野学院大学准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、早稲田大学情報教育研究所招聘研究員。「教育における情報通信(ICT)の利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー、総務省プログラミング教育推進事業会議委員を歴任している。

フィンランドは社会的な危機に何度か直面し、その都度、教育内容を更新してきた歴史がある。プロジェクト型学習などもいち早く取り入れて、客観的な視野やグローバルな観点でカリキュラムを組んでいる。また、時代毎に求められる学習スキルやスタイルも異なるため、教師は逐次、ランキング化された成績に注力せず、その先を求めている。こういった先端的なスキルを射程とした教育は世界が注目している。

フィンランドの教育改革は1852年に始まった。その後、1994年の教育改革で教師の修士号義務付け、カリキュラム編成や詳細の記述を大幅に減らし、教師の裁量拡大を行った。特に教員の労働…

(※全文:1994文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。