スウェーデンの「アウトドア教育」 五感を研ぎ澄まし、創造性を育む

「なぜ外遊びはよいのか」と問われたら、同意はできるが明確な理由の説明は難しいだろう。一方、スウェーデンではエビデンスに基づくアウトドア教育が実践されている。北欧のアウトドア教育に詳しい、宮城学院女子大学の西浦和樹教授にアウトドア教育の意義や実践法を聞いた。

北欧発のアウトドア教育

西浦 和樹

西浦 和樹

宮城学院女子大学 教育学部教育学科 教授
博士(心理学)。専門分野は、教育心理学/健康心理学。2011年から2012年にかけて、スウェーデンのリンショーピング大学に客員教授として滞在。現任保育士研修会(園長研修講師)、宮城県の協働教育連絡会議(座長)を務めるなど、スウェーデンの教育・福祉・観光・ビジネスの教育研修とコンサルティング事業も行っている。主な著書に『北欧スウェーデン発 森の教室-生きる知恵と喜びを生み出すアウトドア教育』(共訳、北大路書房)、『みんなの教育 スウェーデンの「人を育てる」国家戦略』(共著、ミツイパブリッシング )、『脳と学習-未来の学校に必要な知識』(編訳、電子書籍)など。

幸福度、国際競争力など様々な指標で注目を集めるスウェーデン。中でも教育分野は、様々な面で注目を集めている。スウェーデンをはじめ北欧のアウトドア教育に詳しい、宮城学院女子大学の西浦和樹教授は、「学校と実社会を『分けない』ことで、将来の社会に活力を与える人材を作っていこうとすることがスウェーデン流。その一つの象徴がアウトドア教育です」と話す。

西浦氏がスウェーデンに関心を持ったのは2008年に遡る。国際会議への出席を機に、スウェーデンの教育と福祉には学べることが多いと感じたことがきっかけだった。以来、北欧からキーパーソンを毎年、日本へ招き、国際講演会やシンポジウムなどの企画を実施している。

2011年には、スウェーデンのリンショーピング大学に1年間、客員教授として滞在。その際に、スウェーデンの「アウトドア教育」を間近に体験できる契機となった。

スウェーデンのアウトドア教育の知見を得た西浦氏は、…

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