イギリス・ボドリアン図書館 伝統と先端システムの融合

イギリス ボドリアン図書館
ボドリーは、16世紀の宗教改革と政治的混乱で蔵書や家具などが奪い去られたオックスフォード大学図書館を、1612年に再建した(写真上)。

ボドリアン図書館は、オックスフォードに在籍したトマス・ボドリーによって生まれた。ボドリーは、16世紀の宗教改革と政治的混乱で蔵書や家具などが奪い去られたオックスフォード大学図書館を、1612年に再建した(写真上)。

回廊付きのウォール・システム(壁面収納式)図書館としてはきわめて古いが、膨大な蔵書の保管場所は常に問題となった。1753年に大英博物館が建設されるまで、同図書館は実質的にイギリスの国立図書館だったため、多くの遺贈品や蒐集品を収蔵していた。

1860年になると、ラドクリフ・カメラとして知られる隣接する建物(写真上)の使用許可を得た。

1860年になると、ラドクリフ・カメラとして知られる隣接する建物(写真上)の使用許可を得た。

1911年、イギリスの著作権のある書物の複製を収めなければならない法定納本が義務付けられ、度重なる収蔵スペースの拡張が図られた。2009年には、図書館から約45km離れたサウス・マーストンに、800万冊が収納できる新しい保存用書庫が作られた。

貸出の頻度が少ない本はバーコードのついた箱に収められ、温度と湿度が一定に保たれた保存用書庫に収納されている。インターネットで請求された本は、操縦士が特製のフォークリフトを使って書架から取り出し、梱包して図書館へ発送する仕組みだ。

画像提供:アフロ