子どもたちが自らプロデュースする。地域部活でシティズンシップを育む

2023年度から中学校では休日の部活動の地域移行がスタートする。文化庁の「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」、「文化部活動の地域移行に関する検討会議」委員を務めてきたNPO法人日本地域部活動文化部推進本部(Pocca)理事長の齊藤勇氏に話を伺った。

従来の学校の部活に対する
課題意識が活動のきっかけに

齊藤 勇

齊藤 勇

NPO法人日本地域部活動文化部推進本部(Pocca)理事長
学習塾講師、情報教育ソフト開発企業、映像制作等の会社員時代を過ごした後、塾の教材制作スタッフを務める傍ら、音楽文化振興のための一般社団法人を設立し、教育文化事業を企画プロデュース。2018年に日本初の文化系・地域部活動を創部。その後、2021年にNPO法人「日本地域部活動文化部推進本部(Pocca)」を設立し、理事長に就任。文化庁の「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」、「文化部活動の地域移行に関する検討会議」の委員を歴任。

齊藤氏が地域部活動の推進に関わるようになったきっかけは、自ら吹奏楽部に所属した経験から「学校の部活動の内容は偏っている」という課題意識からだった。

「私が所属した吹奏楽部では、技術練習に莫大な時間とエネルギーを費やし、コンクールや演奏会で発表するというものでした。しかし、そのような活動の多くは卒業と同時に終わってしまいます。音楽・文化振興という観点では、生涯にわたって音楽や文化に親しめるような教育が必要だと感じていました」

その頃、地元の静岡県では「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に向けて、文化芸術の力で社会課題を解決する事業の計画を募集していた。そこで齊藤氏は、学校の部活動の在り方を課題として取り上げ、教育界と協働して地域で部活動を行う計画を立てて応募したところ、2017年に採択。これを機に地域部活を開始し、その頃、…

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