校務のDX:コンピューターを用いたテストの利点と欠点、導入のポイント
ここでは、教育機関で行われるコンピューターを用いたテストの種類と、それぞれのメリット・デメリットを解説する。とりわけ、GIGAスクール構想によってコンピューターを用いたテストが利用可能になった初等中等教育での導入のポイントを整理する。
PBTとCBT
中川 哲
連日報道されている教師の働き方改革が喫緊の課題であるという事実に、もはや異論の余地のないところであろう。現段階で公表されている文部科学省による小・中学校における教員勤務実態調査(平成28年度版)によると、長時間勤務の一要因である成績処理にかかる時間は、上位に入る。このことから、成績処理の主要な業務であるテスト採点業務に教師の多くの時間が割かれていることは想像に難くない。小・中学校、そして高等学校において、テストは今でも、古くから行われてきた紙とペンを使って行うPBT(Paper Based Testing)である。対して、民間の資格等のテストでは、この20年ほどでコンピューターを使って行うCBT(Computer Based Testing)をよく見かけるようになってきた。例えば、TOEFLや日商簿記検定、日本漢字能力検定(漢検)等々が…
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