進学率や経済負担、国家公務員の活用実態から探る博士人材の未来

日本の科学技術力の源泉として欠くことのできない博士人材。しかし、日本の修士課程修了者の進学率は減少傾向が続いている。こうした中で国家公務員や産業界等での博士人材活躍、大学院進学率向上に向けて様々な実態調査が進められており、今回は2つの調査概要を紹介する。

大学院進学率減少の要因
経済的負担等の実態

日本の科学技術力の源泉として欠くことのできない博士人材。

しかし、日本の修士課程修了者の進学率は2000年度の16.7%に対し、2021年度には9.7%と減少傾向が続いている。その背景として、博士課程学生の「経済的負担」や「修了後のキャリアパスの不透明さ」が大きな要因として指摘されているが、実際にはどんな状況なのか。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は1月31日、「修士課程(6年制学科を含む)在籍者を起点とした追跡調査(令和3年度修了(卒業)予定者)」の結果を公表した。

同調査によると、在籍中の経済的支援(授業料の減免措置)について、全体では約2割(21.2%)が減免措置を受けていた。学生類型別で見ると、減免措置を受けた割合は外国人学生(62.5%)が最も高く、課程学生(18.2%)、社会人学生(12.3%)、6年制学生(11.5%)と続いた。

返済義務のある奨学金・借入金について、…

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