博士人材を積極的に採用し、社員の博士号取得を支援する牧野フライス製作所

失われた30年と言われる日本。科学技術立国として、産学で再びイノベーションを起こしていくには、博士人材の活用が不可欠だ。博士人材を積極的に採用し、社員の博士号取得を支援する牧野フライス製作所の藤田祥氏に、博士人材の強みや採用プロセス、今後の課題などを聞いた。

新規事業の創出を目的に
博士人材を積極採用

藤田 祥

藤田 祥

株式会社牧野フライス製作所 執行役員 開発本部副本部長
東京大学大学院情報理工学研究科電子情報学専攻博士課程修了。博士(情報理工学)。モバイルアドホックネットワークの運用と管理を効果的に行うための管理システムの研究開発に従事。2010年新卒で横河電機に入社。重工業や食品加工業などのデータ活用に関する新規事業開発などの取組みに参画。2018年に牧野フライス製作所に入社。工作機械と加工技術に、デジタル技術を応用した新製品やサービス開発を主導している。

自動車、航空宇宙、医療機器、電気・電子機器など、多様なものづくりに利用される世界最高峰の工作機械の製造・販売を行う牧野フライス製作所。近年は多数の理系博士人材が在籍し、デジタル技術を応用した新製品やサービスの自社開発に力を入れている。そのため同社では、理系大学院生に特化した就活サイト「アカリク」などを活用し、博士人材の積極採用を実施してきた。

「当社は今、既存事業の延長線上にはない、新しい事業を創出しなければならない局面にあります。それゆえ、特定の分野に精通したスペシャリストとしての強みはもちろん、独創性や新規性のある事業を構想し、多くの人々と共有できるゼネラリストとしての強みもまた博士人材の魅力と捉え、その二つの方向性から博士人材の採用を進めています」と牧野フライス製作所開発本部副本部長の藤田祥氏は話す。

そう話す藤田氏も博士号取得者だ。東京大学大学院で博士号(情報理工学)を取得後、…

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