学生がオンラインで日本語学習を支援 筑波大学の「日本語サポーター」

外国にルーツを持つ子どもたちの日本語学習をオンラインで支援する筑波大学の「日本語サポーター」。地域の学校や教員と協働しながら、子どもと学生双方の成長を育む場となっている。取り組みの現状と課題について、プロジェクトを牽引する澤田浩子准教授に話を聞いた。

偏在地域の課題解決に向けて
オンラインで地域の学校をつなぐ

澤田 浩子

澤田 浩子

筑波大学 人文社会系 准教授
神戸大学総合人間科学研究科博士後期課程で博士(学術)取得。日本学術振興会特別研究員、京都大学国際交流センター講師、筑波大学人文社会系講師などを経て、2015年4月から現職。主な研究分野は言語学。研究キーワードは言語コミュニケーション、コーパス研究、日本語教育、多文化共生、社会言語学など。地域社会における暮らしの中でことばの特質を捉える研究を目指している。

茨城県では近年、日本語指導が必要な外国にルーツを持つ児童生徒が年々増加している。文部科学省の調査※1によれば、2023年度の日本語指導が必要な児童生徒数(日本国籍・外国籍を含む)は全国で10位に位置し、2,034人を数える。

筑波大学准教授の澤田浩子氏は「県南は以前から外国人居住者が多い地域でしたが、近年増えてきた県北や水戸、鹿行地域は受け入れの経験が乏しい状況でした。そのため、児童生徒が集住する地域と散在する地域の格差は大きく、個々の学校だけでは対応しきれない課題が顕在化していました」と話す。

澤田氏は日本語学・日本語教育を専門とし、筑波大学「多言語・多文化共生社会の教育課題リサーチ・ユニット」の研究代表を務める。そうした中、茨城県教育庁からの依頼を受けて、2020年に「グローバル・サポート事業」を発足。同事業は各地域の学校とオンラインでつながり、主に筑波大学の学生が「日本語サポーター」として外国ルーツの子どもたちの日本語学習や教科学習をサポートする取組みだ。

学生たちのチームミーティングの様子。

(※全文:2454文字 画像:あり)

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