基礎学力強化、業務軽減へ 1人1台端末×CBT「TOFAS」活用[AD]

総合教育企業の株式会社スプリックスと東京都の港区教育委員会は2019年以降、包括的に連携し、タブレットを使った基礎学習などを進めてきた。今年3月には港区内の小中学校で、グローバルレベルで基礎学力を評価するTOFASを実施し、CBTの活用にも取り組んでいる。

グローバルレベルで基礎学力を
評価するCBT「TOFAS」

篠﨑 玲子、梅田 修平

左/篠﨑 玲子 港区教育委員会事務局 教育指導担当課長、右/梅田 修平 スプリックス基礎学力研究所 所長

スプリックスは、学習塾の運営と教育コンテンツの制作を主な事業としている。スプリックスが開発したCBT(Computer Based Testing:コンピュータを使った試験方式)の「TOFAS」(Test of Fundamental Academic Skills)は、グローバルレベルで基礎学力を評価するオンライン検定で、日本を含む世界15か国で実施され、6万人以上が受検している。

「CBTは紙ではなくタブレットやパソコンを使って行うテストで、国際的にはこれが主流になりつつあります。PISAやTIMSSのような国際学力調査のほか、日本の英検や漢検、TOEIC、TOEFLのような民間のテストでもCBTが推進されています」

スプリックス基礎学力研究所所長の梅田修平氏は、こう解説する。日本の公教育においても「学びの保障オンライン学習システム(MEXCBT)」の実証で、全国学力学習状況調査のCBT化に向けた準備が進められている。

「TOFAS」(結果表)のイメージ

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「TOFAS」の主な特徴は、第1に、基礎学力を正しく評価するCBTである点だ。「学習指導要領の改訂によって学び方が変化し、学ぶ手段も多様化しています。『TOFAS』は子どもたちがこのような変化にも対応できるよう、その土台となる基礎学力にフォーカスしています」(梅田氏)

第2の特徴は、基礎学力の定着に必要な「のびしろ」をデータでフィードバックできる点だ。「TOFAS」ではスピーディーなデータ化が可能で、先生たちは自ら採点することなく、テストの結果をデータで得られる。

第3に、これまで世界15か国の6万人以上が受検している「TOFAS」では、グローバルな観点から基礎学力の立ち位置を測ることができる。

「TOFAS」の実施では、問題によって画面が4択になったり、タブレットに直接書き込む入力形式に変化する。一方、生徒や児童、一人ひとりにフィードバックされる結果表では、正答の割合だけでなく、詳細なフィードバックも表示される(上図参照)。

「確かな学力の育成」に向けて
「TOFAS」を活用する東京都港区

国内ではこれまで、約50校で「TOFAS」が実施されている。このうち、東京都港区では今年3月、区内の12の小中学校で実施した。

スプリックスと港区教育委員会は2019年以降、包括的に連携し、個別最適化学習プログラムを活用した授業や、タブレット端末を使う基礎学習などを進めてきた。また、GIGAスクール構想に向けて港区は他区に先駆け、昨年10月までに児童・生徒一人ひとりに端末を配布した。

「このような対策を通じ、コロナ禍では国語、算数・数学でクラウドのデジタル教科書を導入し、すべての子どもが使える環境を整えることができました。Wi-Fi環境も強化し、一度に多くの児童・生徒がアクセスしてもスムーズに学習できる環境を整えています」

港区教育委員会事務局教育指導担当課長の篠﨑玲子氏は、こう語る。また港区は「確かな学力の育成」を学校教育推進計画の方針の1つに掲げ、「TOFAS」などのCBTを導入し、基礎学力を育もうとしている。

港区教育委員会がCBTに最も期待している点は、テストの結果が速く返ってくるところだという。

「結果がすぐに返ってこれば、担任もすぐに授業の改善に取り組めます。端末はあくまでも文房具の1つで、紙と鉛筆がなくなることはありません。今後もそれらを併用した形で、基礎学力を強化していきたいです」(篠﨑氏)

港区立御田小学校の6年生に対して行われた「TOFAS」は、URLにアクセスしてボタンを押すだけで始められ、スムーズに実施できたという。子どもたちからは、「紙のテストよりも集中できた」、「楽しかった」という声も上がった。

担当教諭からは、子どもたちがどこでつまずいているのかを把握し、どの部分で教えが足りなかったかがわかる点が、教員側のメリットとして挙げられた。また、作問や採点の手間が大幅に削減でき、自分の研究や授業の準備時間を多く取れるようになる点も評価された。さらに、校長からは基礎学力に焦点を当てた「TOFAS」の内容が評価された。「TOFAS」のデータは指導の振り返りや、一人ひとりの児童に対応した指導にも活用できるものとなっている。

「『TOFAS』は子どもにとっても教員にとっても本当に良いツールで、このような取り組みは保護者にも喜ばれるはずです。CBTはさらに、教員の働き方改革や子どもと向き合う時間の創出にもつながります。区では今後も、『TOFAS』などのCBTを推進していく方針です」(篠﨑氏)

無料で試せるパッケージの
「CBT for school」も提供

スプリックスでは新たに、「TOFAS」に「単元別テスト」と「プログラミング能力検定」という2つのCBTを加えたパッケージの「CBT for school」を開発した。

「TOFAS」は計算、漢字・語彙、英単語のような基礎学力を評価するのに対し、単元別テストは、小中学校の主要教科を対象とする単元ごとのテストで知識を定着させる。そしてプログラミング能力検定は、プログラミング概念の理解度を体系的に分析・評価するものだ。

スプリックスと港区教育委員会の連携では、既に「TOFAS」だけでなく、パッケージでの活用も進めている。クラウドを利用したCBTに求められる最も基本的な点は、安定した実施ができることだが、区内の学校で実施されたスプリックスのCBTではエラーなどはなく、安心して実施できるものとなっている。

「学力調査だけでなく、小学校の単元別テストや中学校の定期考査のテストもCBT化できれば、将来は中間テストをタブレットで行う時代も訪れるでしょう。あとは電子ポートフォリオのようなものを、子どもと保護者がいつでも電子版で見られる形ができれば、より良いと思います」(篠﨑氏)

「CBT for school」は今年度、無料で試せるようになっている。「学校においてCBTはある程度、効果があるものだと信じています。まずは、無料で使っていただきたく、今回このような準備をしました。既に多くの学校や教育委員会からお問い合わせがあり、ぜひ検討していただきたいです」(梅田氏)。

【お問い合わせ】

株式会社スプリックス
mail:cbt@sprix.jp
URL:https://foresta.education/cbt/
TEL:03-5927-9435

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