政策動向や先行事例から見る。部活動の「地域移行」の未来とは?

生徒数の減少、学校教員の働き方改革、部活動への多様なニーズ(ダンス部やプログラミング部の登場)、価値観の変化などを背景に部活動の地域移行が進められている。現状の課題・対応策や自治体や企業連携における先進事例、政策動向などを追った。

急速に進む生徒数の減少など
いま地域移行が必要な理由

学校の部活動をめぐる環境は大きな変化を迎えている。その一つが少子化による生徒数の減少だ。中学校の生徒数は、1986年の589万人から2021年に296万人と半減した。また、2020年の出生数は84万人と、生徒数減少が加速する未来は確実なものとなっている。こうした生徒数の減少によって、一つの学校の運動部で必要なチーム数を満たさない部活動も増えてきた。加えて、部活動の種類や価値観の多様化が進み、生徒の希望する部活動がないといったことも起きている。

また、世界一多忙といわれる日本の学校教員にとって、とりわけ休日における部活動の指導は大きな負担と指摘されてきた。さらに、競技経験のない教師が指導していることも多いといった課題もある。

こうした背景のもと、スポーツ庁は「運動部活動の地域移行に関する検討会議」、文化庁は「文化部活動の地域移行に関する検討会議」を立ち上げ、…

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