ゲームAI研究からのアプローチ 人間とAIの共存社会に求められる人材像
AIの社会実装を前提とするとき、求められる人材像はどう変わっていくのか。セミナー「社会が求める新たな教育」の基調講演で、ゲームAI開発の最前線で人工知能を研究してきた東京大学生産技術研究所の三宅陽一郎特任教授がAIと人間の共存社会を見据えた人材像を語った。
仏教の「唯識」思想を通して迫る
人工知能の本質
三宅 陽一郎
東京大学生産技術研究所 特任教授
2025年の「エージェント元年」を迎え、人間の指示を待つことなく、意図を理解して自律的に業務を遂行する「AIエージェント」の開発が一気に加速すると見られている。様々な社会課題に直面する中、それらの解決に資するものとして、産業や生活のあらゆる面で、AIエージェントを利活用する社会は、現実のものとなりつつある。
AIエージェントを最適な形で実装し、よりよい社会を築いていくために、人間はAIとどう向き合い、どのような役割を果たしていくべきか。
20年以上、ゲームAI開発の最前線に立ち、XboxやPlayStationでキャラクターAI、メタAI、空間AIの三層構造を確立した三宅氏は、人工知能を通して人間の知能の本質を明らかにすることによって、人間がテクノロジーとどう向き合えばよいかを考察する立場をとる。これまで、『人工知能のための哲学塾』など、哲学に関する著作も手掛けてきた。
その研究の根幹にあるのが、仏教の「唯識」思想だ。最下「阿頼耶識」で判断せず情報をそのまま受け入れ、その上の「末那識」で自分と世界の情報が混ざり意識が生まれるという多層構造で人間の知能を捉えるのが「唯識」だ。これは人工知能のディープニューラルネットワークの構造と一致するという。
(※全文:2104文字 画像:あり)
全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。