データサイエンス教育で「あるべきもの」を探究し批判的リテラシーを育む

VUCA時代の到来で注目される「データサイエンス」教育が、中学・高校の新学習指導要領によって拡充されている。大学より前に学ぶことの意義、現実社会につながる学びをいかに実装するかのヒントについて、東京学芸大学大学院教授の西村圭一氏に話を伺った。

「あるもの」の探究から
「あるべきもの」の探究へ

西村 圭一

西村 圭一

東京学芸大学大学院 教育学研究科 教授
博士(教育学)。東京都立高等学校、東京学芸大学附属大泉中学校、同国際中等教育学校教諭、国立教育政策研究所教育課程研究センター基礎研究部総括研究官、東京学芸大学教育学部数学科教育学分野教授を経て、現在、同大学大学院教育学研究科教授。日本数学教育学会業務執行理事・数学教育編集部長、日本教科教育学会全国理事、新算数教育研究会全国大会推進部長。主な編著書に『中学総合的研究 数学 四訂版』(旺文社)、『教育実習論 (教師のための教育学シリーズ)(学文社)など。

2022年度から高校で新学習指導要領が順次全面実施され、「情報Ⅰ」が共通必履修科目となった。さらに次年度に選択科目「情報Ⅱ」の開講を予定する学校もある。また、「数学Ⅰ」では「仮説検定の考え方」を扱うようになった。中学校の数学科でも、領域名が「資料の活用」から「データの活用」へと変更され、「箱ひげ図」を学習するなどデータの分布に関する学びに厚みが出ている。

(※全文:2311文字 画像:あり)

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