大学における「実務家教員」採用の実態は? ニーズ調査に見る現状と課題

文部科学省の事業の一環として、「大学等における実務家教員の採用に関する調査」が行われた。実務家教員は大学の教育研究に「実践性」をもたらしており、その必要性は認識されているものの、必ずしも各大学における積極的な採用行動にはつながっていない現状が示された。

実務家教員の登用・活用へ
大学における採用の実態を調査

文部科学省の「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」(2019~2023年度)における取組「創造と変革を先導する産学循環型人材育成システム」(東北大学、熊本大学、大阪府立大学、立教大学の4大学が連携)で実施した、「大学等における実務家教員の採用に関する調査」の結果が2022年3月に公表された。実務家教員とは、企業等での実務経験を積んだ大学教員のことだ。文部科学省では「専攻分野における概ね5年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者」としている。

近年、大学では実務家教員の登用・活用が期待されている。その背景には、大学等において、学生の社会的・職業的自立を図るために必要な能力を培う機会を確保するという観点や、AI・IT等の新たな社会的ニーズが生まれている分野の専門人材育成に向けて、…

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