総合型・学校推薦型入試と学力低下の課題にどうアプローチすべきか[AD]

大学入試で総合型・学校推薦型等の推薦入試の入学者が半数を超え、年内に合格を獲得する「年内入試」が主流になりつつある。その影響で大学生の学力低下が叫ばれ、産業界もその煽りを受けている。最新の入試動向と課題へのアプローチに迫る。

大学の入学者数における総合型・学校推薦型選抜の比率は年々高まっており、2021年度には私立大学入試では全体の58.2%※1に上った。かつては大半を占めていた「一般入試」が、今では一般的ではなくなりつつある。推薦制度を利用して年内に入学者を囲い込みたい大学側の思惑と、早めに合格を勝ち取りたい受験生の意向があるためだ。

近年とくに増加傾向にある総合型選抜は、学力の3要素(①知識・技能②思考力・判断力・表現力等③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)を多面的・総合的に評価する公募型の推薦入試制度だ。具体的には筆記試験に加えて、各種コンテストにおける成績や論文、留学経験、その他意欲的な活動などの実績と、そうした経験や知識をもとに入学後にどういった活動をしたいかが、志望理由書や面接で問われる。用意された正解に早く到達できる能力を競わせる一般入試から、思考力や主体性・協働性を評価する入試への転換は時代の要請とも言える。

しかし、大学入学後や就職時に問題の声も上がっている。各種の推薦入試で入学した学生を中心に学力不足が見られ、入学後に高校段階の補習を受けなければならない学生も少なくないという。就職活動では出身大学と共に、一般入試と推薦入試のどちらで入学したかを問う企業も出てきている。こうした状況について、総合型選抜を専門とする塾・自分構想のカリキュラム責任者でキャリアコンサルタントの酒井信幸氏はこう語る。

「根本的な問題は、『大学に合格すること』が目的になっていることだと見ています。塾・自分構想では、大学はゴールではなくキャリアパスの一部と捉えています。自己実現をする上で大切なのは、過去の経験などから自分を深掘りし、理想の未来を構想すること。我々の塾では、自身のキャリアデザイン(構想計画)を考えながら、理想を実現するために今の自分に足りないものを補っていく活動をサポートします。具体的には自分史の編纂などを通した自己分析や、自身の関心テーマについて探究したり他の生徒と討論するプレカレッジ活動、さらに社会人にインタビューする機会も用意しています。これらの活動の中では当然知識も必要になってきますし、総合型選抜では共通テストの点数を見る大学もありますので、個別指導による学習管理も徹底しています。大学での学びや卒業後の就職は、こうしたキャリアパスの中途に位置するもので、それらを見通した『自分を構想すること』が本質的なゴールだと考えています」

学力の3要素をバランスよく育み評価することや、将来を見通してキャリアをデザインすることが、産学において求められている。

※1 令和3年度国公私立大学入学者選抜実施状況(文部科学省)より

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