社会構想大 実務教育研究科、「専門職学位論文」執筆への学修サポートを充実

「専門職学位論文」の執筆へのチェックポイント
中間報告会を開催

2年間の社会人向け大学院である本学実務教育研究科を修了するには、所定の単位数を取得するほか、2年間の研究の集大成として修士論文に相当する「専門職学位論文」を執筆します。本研究科では、初めて本格的な論文を書く方への学修のサポートが充実しており、安心して研究を進めていただけます。執筆のための研究指導は1年次のゼミである「探究基礎演習」、2年次のゼミである「探究演習」を通じて行われます。「専門職学位論文」では、院生自身が設定した実務の領域における課題について、知識社会学や教育学等の社会科学的な知見を踏まえたうえで、社会への具体的な「実装」のありかたを構想します。ゼミである「演習」を通じて、教員や仲間と一緒に特定のテーマを深めていくことができます。

さらに研究を発展させるため、何度かチェックポイントとして設けられている報告会や審査会でゼミの担当以外の教員や修了生からのフィードバックを得ることができます。

8月5日~6日には、「中間報告会」が行われました。各学生は10分間発表を行い、その後様々な角度から投げかけられる質問に回答。創意工夫ある発表や資料が印象的でした。報告会で最先端の研究に触れることで、自身の今後の研究や業務改善のヒントを得ることができます。

<現役院生の声>
訪問看護の事業承継実現へ
地方在住でもすべてオンラインで研究が可能、強力な学びのチャンスとして活用

亀井 紗織

亀井 紗織(かめい・さおり)

株式会社ナースエナジー
代表取締役

私は北海道札幌市で、訪問看護ステーション、住宅型有料老人ホームを経営しております。起業から12年が経ちました。少子高齢化が進むわが国では、医療・介護・福祉の業界に様々な課題があります。一つには病院に偏重している医療の在り方という問題があります。高齢者に高度急性期医療を提供するということが漫然と続けられてきて、生活習慣病には薬物だけが投与され予防機能は果たせていず、医療費は膨張する一方です。医療は、人々の幸せな暮らしに寄与できていないのです。だから私は病があってもその人の暮らす場所で元気にする訪問看護の道を選びました。しかし看護師の就業場所も病院偏重で、訪問看護に従事する者は全体の5%程度です。だから小規模事業所が多く、毎年全体の半数が事業を廃止しています。人々の生活に寄り添い、健康を回復させていく訪問看護という仕事は本当に大切だと思いますし、未来にこそ必要な社会資源であると確信しています。しかしなかなか発展しない現状に焦りを感じ、自社も未来につなぎたいと思いながら後継者候補さえ見つけられていないことに打開策を見出したく、大学院への進学を決意しました。研究テーマは事業承継で、様々な分野の専門家である先生方から新たな知識を提供いただき、視野が広がり、既に事業承継実現のための具体的な行動目標も出てきています。クラスメイトの皆さんもあらゆる業種の方がいて、自分にはない視点で意見をいただけます。学術的な素地が無く、たまに変なことを言ってしまったり、人より理解が悪く恥ずかしく思う時もあるのですが、寛容な先生方が何とか掬いあげて下さいますので、こんな自分でも2年生の中期まで必要な単位を取得してこれました。すべてオンラインで受けられるのも、地方の人間にとっては強力な学びのチャンスとありがたく感じています。悩み多きビジネスパーソンにはお勧めできる大学院だと思います。