アプリ等の活用による組織的対応でいじめの深刻化を防ぐ
発達心理学の観点からいじめの原因を探り、発生への予防だけでなく深刻化抑制や予後に目を向けているのが臨床心理士・公認心理師でもある北海道大学の加藤弘通准教授だ。専用アプリの導入など、令和時代に必要ないじめ対応策について話を伺った。
「ごんぎつね」を読める力が
いじめや自殺を可能にする
加藤 弘通
2023年10月に文部科学省より公表された「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和3年度)」によると、いじめ認知件数は61万件を超え過去最多となった。しかし、学校や教育委員会を対象としたこの調査は、子どもたちの目線から見た実態とはズレがあると、北海道大学の加藤弘通准教授は指摘する。
「担任の先生がいじめの気配を感じたとしても、主任の先生への報告や校内調査を経て、教育委員会に上げる段階に至らないと、いじめとしてカウントされないからです。私の研究室では、子どもたちを対象としたアンケートをとり続けています。過去3カ月間に一度でも悪口を言われた、暴力を受けたことがあれば『いじめ』とカウントすると、…
(※全文:2714文字 画像:あり)
全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。