デザイン思考に基づく教職学協働のアジャイル開発で大学DXを推進

大学改革においてもDXは不可避の課題だ。しかし、国立大学の中でCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル化統括責任者)を設置している大学は数えるほどしかない。そこで、香川大学のCDOとして業務DXを進めている八重樫理人教授に、取組みの経緯や要所を聞いた。

デザイン思考に基づく
香川大学のDX推進

八重樫 理人

八重樫 理人

香川大学 創造工学部 教授、
情報メディアセンター センター長、
CDO(最高デジタル化統括責任者)
香川大学創造工学部創造工学科 情報システム・セキュリティコース 教授。博士(工学)。2021年5月にCDO(最高デジタル化統括責任者)、2021年10月から情報メディアセンター センター長。専門はソフトウェア工学、教育支援システム、観光支援システム。香川県フットサルリーグで、歳が半分以下の選手と一緒にボールを追いかける日々。

早くからオンライン授業に取り組んできた香川大学。2018年4月から運用を開始しているコンピュータシステム「Kadai-Cloud」は、Hyper Converged Infrastructure (HCI)を採用したプライベートクラウド基盤とパブリッククラウド基盤の両方を備えたサーバ基盤である。

HCIは、リソース不足が発生してもメモリやストレージなどのリソースが増強できるため、拡張性に優れているのが特徴。2019年には293科目だったオンライン授業が、COVID-19が発生した 2020年には2144 科目に増加したが、リソースを増強することで特段のトラブルもなくオンライン授業が実施できた。

また、同年にDXの冠を付けた組織としては国立大学初となる「DX化技術支援室」を設置(現在は、情報メディアセンターに統合)。Microsoft365はコロナ前からすでに導入済みで、…

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