セイコーエプソン 創業から受け継がれる、人を基盤とする経営

創業時から「人」を経営基盤のひとつと捉え、現代も経営戦略と人事施策を一体化した企業経営を推進するセイコーエプソン。社員主体の組織風土の醸成に挑む、同社代表取締役執行役員 人的資本・健康経営本部長の阿部栄一氏に人的資本経営の課題と展望を聞いた。

創業から変わらない
「人が基盤」の経営

阿部 栄一

阿部 栄一

セイコーエプソン株式会社
代表取締役執行役員 人的資本・健康経営本部長

── 人的資本経営にとても力を入れている印象です。

当社は第二次世界大戦中の1942年に、服部時計店とつながりがあった創業者の山崎久夫が時計事業(大和工業)を開始したのが原点です。ほぼ時を同じくして、第二精工舎の諏訪地域への工場疎開がありました。戦後も諏訪地域で時計産業を継続させるべく、疎開してきた時計関係者に残ってもらおうと、生活面での支援を惜しみませんでした。そこには、「人を大切にする」という強い想いがありました。「人的資本経営」が注目される以前から、私たちは創業時から人を資本として捉えて活動してきたのです。事業拡大とともに様々なブランドや商品ジャンルが立ちあがっていますが、事業が多角化しても、社員が力を発揮できる環境作りと、評価・報酬の仕組みや福利厚生・健康増進等で報いることで、社員の幸せを第一義として考えたいという思いが根付いています。

(※全文:2418文字 画像:あり)

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