日本語の学びと居場所づくりで多様性豊かな子どもたちを支援
「世界につながる子どもと社会をつなぐ」をミッションに掲げ、外国にルーツを持つ子どもたちを支援する認定NPO法人メタノイア。東京や埼玉を拠点に、日本語の学びと居場所づくりを軸とした活動を展開。進学やキャリア形成を支える支援なども実施している。
世界につながる子どもと
社会をつなぐNPO法人を設立

山田 拓路
特定非営利活動法人メタノイア 代表理事
兵庫県出身、関西学院大学法学部卒。2008年より愛知県のフィリピン学校に勤務した後、岐阜県でフィリピンにルーツをもつ子どもを対象とした保育所や日本語教室を開設、園長・教室長を務める。カナダ留学や東京でのNPO勤務を経て、2021年より現職。行政書士(入管申請取次・特定行政書士)、日本語教師、保育士。足立区多文化共生推進会議委員、公益財団法人日本YMCA同盟常議員・評議員なども務めている。
移民や難民の子どもは、日本語が分からず地域から孤立し、将来への希望を見失うケースも少なくない。こうした現状を変えるために設立されたのが、認定NPO法人メタノイアである。代表理事の山田拓路氏は、20代の大半を外国ルーツの子どもたちと過ごし、その経験を現在の活動の基盤としてきた人物だ。
山田氏が教育現場に初めて立ったのは2008年、愛知県にある教会運営のフィリピン人学校だった。約4年間の勤務を経て、同教会が岐阜県に設立したフィリピン人向け保育施設では立ち上げを指揮。東海地方で長年にわたり教育と保育の現場を担った経験が、後のメタノイアの立ち上げへとつながっていった。
メタノイア設立以前には、カナダ・トロント大学でNPOのリーダーシップを学んだ。移住も視野に入れていたが、「論理的に考える姿勢やエビデンスに基づく判断方法を徹底的に学んだ結果、日本で子どもの教育や権利に関わりたいという思いを再確認しました」と振り返る。
カナダは移民政策が整備され、同様の活動団体も多いため独自性を発揮しにくい。一方、日本では支援体制が十分でなく、自身の経験と強みを生かせる余地が大きいと判断し、帰国してNPOの設立を決断した。
「私の一番の強みは日本語を自在に使えることです。制度面でも有利であり、日本国籍を持つ自分だからこそできると考えました。さらに、子どもたちと10年近く関わった経験や、日本語教師・保育士の資格も後押しになりました」
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