TCO観点で読み解くハイブリッドマルチクラウドの進め方[AD]

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を背景に大学でクラウド導入が進む中、複数のクラウド環境を組み合わせ、単一のシステムとして構築するハイブリッドマルチクラウドが注目を集めている。その考え方や活用方法について、ニュータニックス・ジャパンの飯塚欽也氏が解説する。

クラウド導入に潜む
3つの課題とその回避策

飯塚欽也

飯塚 欽也
ニュータニックス・ジャパン合同会社 広域営業統括本部 公共・広域営業本部 テリトリーアカウントマネージャー

 HCI(ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャ)は、従来の共有ストレージ・SAN・サーバーの3 層構成から、共有ストレージ・SANを全く使わずに、一般的なサーバーとソフトウェアで構成する統合型の仮想化基盤だ。必要なリソースを柔軟に用意することができ、運用管理の負担も大幅な低減を可能にしている。

このHCI市場のトップベンダーである米ニュータニックスは、IT運用にまつわる多様な課題を解決するソリューションを展開し、世界2万社を超える企業から高い評価を得てきた。その日本法人のニュータニックス・ジャパンでは、近年注目を集めるハイブリッドマルチクラウドを強く推し進めている。

ハイブリッドマルチクラウドとは、様々なパブリッククラウドやプライベートクラウド、オンプレミスのうちどれか1つを選択するのではなく、それらを連携・組み合わせて使う運用モデルのこと。安心安全なオンプレミス環境に加え、急激なリソース増減にも対応できるパブリッククラウドの併用により、インフラの違いを意識せず、同一のオペレーションでセキュアな運用が可能になる。昨今、日本でも大規模ベンダーが提供するパブリッククラウドが日常的に使われるようになり、システムの構築や移行の際にクラウド利用を優先する「クラウドファースト」の考え方も浸透しつつある。

パブリッククラウドは専用のデータセンターを構成する必要がなく、瞬時に起動・終了ができる柔軟性が魅力的に映る。必要なITリソースを手軽に追加・削除することができ、料金は使用した分だけ支払えば済むなど、様々なメリットがあるように思えるが、「単にオンプレミスからパブリッククラウドに移行しても、必ずしもパブリッククラウドの利点を享受できるとは限りません」と、ニュータニックス・ジャパン広域営業統括本部の飯塚欽也氏は警鐘を鳴らす。

「多様なパブリッククラウドサービスの利用が急増し、ネットワーク構成がより複雑化したことで、日本のパブリッククラウド活用では従来環境との連携が取れない『分断』、慢性的な高コスト体質化などの『リスクの発生』、多岐にわたる複雑な技術への理解などの『技術的負担』という3つの課題が顕在化しています。クラウドファーストを推進してきた米国連邦政府も2019年に『クラウドスマート』へ方針変更し、確かな理由を持たずにパブリッククラウド採用に踏み切ってはいけないと強調しています」

国内でもパブリッククラウド導入の成功事例はあるが、その多くは数年掛けて検討を重ねた上で段階的なクラウド化を行い、さらに要件の変化によってはオンプレ回帰も選択肢に入れるなどの柔軟な対応をしていると飯塚氏は言う。そもそもパブリッククラウド移行に期待する成果は、インフラの改善とアプリケーションの変革の2つだと飯塚氏は指摘する。

パブリッククラウド移行の成果が柔軟性や可用性、堅牢性、俊敏性、拡張性、経済性であれば、インフラのクラウド化(HCIへの移行)だけでも目的は達成できる。またビジネスの局面に応じてアプリのクラウドへ移行をする・しないという選択肢を設けることでコスト高を抑えることもできる。

「基本戦略は適材適所。アプリケーションの特性に応じてインフラを使い分けることが重要です。コストパフォーマンスにすぐれたHCIをベースに、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)やWEBアプリ等の容易にパブリッククラウドサービスに置き換えられるものから移行したり、新規事業開発などスモールスタートで始めたいものは、クラウドネイティブのサービスを積極的に活用して機動的に運用、といった戦略が考えられます」

オンプレミス、パブリッククラウドを問わず
仮想化環境を一元的に管理

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そうした中、ニュータニックス・ジャパンが提供するハイブリッドマルチクラウドを実現するソリューションが「Nutanix Clusters」だ。本製品はAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureが提供するベアメタルと呼ばれるIaaS型のサービス上に、同社のクラウドプラットフォームを拡張するソリューションである。既存のAWSやAzureのネットワーク環境内で同社のHCIを展開できるため、シームレスなクラウドサービスとの連携が容易に実現できる。

「直感的に利用できる統合管理ツールの『Prism』により、シンプルなインターフェースでオンプレミスとパブリッククラウドが混在したハイブリッドな環境を一元的に運用できます。また、双方をまたぐライセンスのモビリティ(移動性)を提供するため、オンプレミスで利用するために購入したソフトウェアのライセンスを、そのままパブリッククラウドに持ち込んで利用することができます」

オールインワンのHCIが
最適なコスト管理を実現

近年、大学にもパブリッククラウド導入が進む中、ハイブリッドクラウドの恩恵を受けるためには、TCO(総所有コスト:Total Cost of Owne rship)の観点から費用対効果の見定めが重要となる。その点、HCIは汎用的なサーバー中に、サーバー仮想化に必要な機能がすべてソフトウェアとして統合されているため、運用管理やメンテナンスの負担が軽く、TCO削減と利便性の両立という大きなメリットがある。さらに、コストガバナンスツールとして提供する「Be am」が、プライベートクラウドを含むマルチクラウドサービスのコストの可視性と計測を行うことで、ハイブリッド環境下でもコストガバナンスの効いた使い分けを可能にしている。

これが重要である理由はクラウドのメリットである「使った分だけ支払い」は使いどころが難しい諸刃の剣とも言えるからだ。特徴をよく把握せずにクラウドを導入し、想定外の運用コストが発生する事例が世界的に急増していると飯塚氏は指摘する。

「アメリカ国家核安全保障局では、財務的な統制と承認プロセスがないまま職員が自由にファイヤーウォールなどを起動したことで、予想外のコストが発生してしまいました。しかしその後、ROI(投資収益率)を分析し、『Nutanix HCI』でオンプレミスへ回帰したことで48%のコスト削減を実現しています」

また英国ダービー市では、システムの移行途中でコストが想定の2倍に到達したものの、「Nutanix HCI」で基盤を再構築し、80%以上のコスト削減に成功したという。

「掛かるコストや時間とパブリッククラウド移行で得られる成果を天秤に掛け、これらをどう評価するのか。また、クラウドサービスでなければ実現できないメリットが本当に得られるのか。これらを判断基準とすることで、各大学に合ったインフラを構築していただければと思います」

【お問い合わせ】

ニュータニックス・ジャパン合同会社
Mail:info-jp@nutanix.com
URL:www.nutanix.com/jp

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