学習意欲・学力向上にも期待、見やすく読みやすいUDフォント[AD]

モリサワが開発した UD(ユニバーサルデザイン)フォントは、より多くの人が見やすく読みやすいをコンセプトにした書体であり、教育現場での活用も広がっている。その導入によって、弱視や読み書きに困難さを抱える子どもへの配慮になるだけでなく、学習意欲や学力向上への効果も期待されている。

読みの速度と誤認回避率が向上、教職員の業務改善にもつながる

フォントメーカーのモリサワは「文字を通じて社会に貢献する」という経営理念の下、社会課題の解決に取り組んでいる。モリサワが SDGs の4番目の目標「質の高い教育をみんなに」の達成にも貢献できると位置付けているのが UDフォントだ。

UD とはユニバーサルデザインの略であり、UDフォントは高齢者や視覚障害者、ディスレクシア(読み書き障害)など、より多くの人に読みやすい工夫をした書体を豊富に揃えている。

UDフォントは教育現場にも数々のメリットをもたらし、教職員の業務改善(読みの速度や誤認回避率の向上、教えやすく学びやすいなど)、授業のユニバーサルデザイン化、子どもたちの学習意欲・学力向上への好影響が期待できる。すでに一部の自治体は UDフォントを導入しており、小中学校での活用も進んでいる。

UDフォントの特徴として、一般的な書体よりも文字の「つく・はなれ」が明確になっているほか、明朝体の UDフォントは横線を太くして文字がくっきり見えるようにしたり、濁点・半濁点を大きめにして文字との間に隙間を設けて見えやすくするなど、数々の工夫が施されている。そのため、文字の形が分かりやすく、読み間違えにくく、文章が読みやすい。

野村陽香

野村陽香
株式会社モリサワ 公共ビジネス課

実際、モリサワと3市町の自治体が行った職員294名・20~60歳の男女を対象にした調査(業務で使用する文章をサンプルにして UDフォントと一般的なフォントを比較検証)では、UDフォントのほうが誤認回避率が平均5.34%高く、40歳以上では読みの速度が3.3%向上した。モリサワ公共ビジネス課の野村陽香氏は、「UDフォントは業務の効率化、労働時間や人件費の削減につながると考えています」と語る。

タブレットや電子黒板など、ICT 教育でも効果を発揮

UDフォントには複数のラインナップがあり、教育現場に適しているのが「UD デジタル教科書体」だ。教科書体は文字通り小学校の教科書などで使われるフォントだが、一般的な教科書体は筆書きの楷書に近く、線の強弱があり見えにくいという課題がある。「弱視やディスレクシアの子どもにとっては、線の細い部分がかすれて読みにくい場合があります」。

また、線の太さが均一であり、かつ強弱も少ない書体としてゴシック体があるが、「ゴシック体は教育現場に準じた形状ではないため、先生が文字を教えにくいという課題があります」と野村氏は指摘する。例えば、ゴシック体では画数が違って見えたり、「はね・とめ・はらい」などの運筆が分かりにくかったり、形状が学習指導要領の例字とは異なる文字がある。

一方、UD デジタル教科書体は線の太さを保ちながらも、弱視やディスレクシアの子どもにも配慮されたデザインであり、文部科学省の学習指導要領にも準拠した字形となっている。また、遠くからでも見やすく、画面に投影してもかすれにくいため、タブレットや電子黒板など ICT 教育でも効果を発揮する(図参照)。

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UD デジタル教科書体の有効性は、科学的なエビデンスでも明らかにされている。ロービジョン(弱視)研究の第一人者である慶應義塾大学の中野泰志教授が、デジタル端末での見やすさを4つの教科書体で比較したところ、UD デジタル教科書体が最も見やすいという結果になった。

また、大阪医科大学 LD センターの奥村智人氏が、読み書きに困難さを抱えている学習障害の児童を対象に読みやすさの検証をしたところ、UD デジタル教科書体は一般的な教科書体より読みの速度が9%改善した。

さらに、市内の小中学校に UDフォントを導入してプリントなどの教材で活用している奈良県生駒市において、テスト結果を検証したところ、平均回答数は一般的な教科書体24問に対して UDフォント29.5問、全問到達者数が一般的な教科書体4名に対して UDフォント30名となった。通常学級の児童・生徒にとっても UDフォントは見やすく、読みやすく、読み間違えにくい書体と言える。

英語教育には「欧文シリーズ」、新たに「筆順フォント」も発売

2020年度から小学校で英語教育が必修化されたが、初めてアルファベットを習う子どもでも学びやすい書体が「UD デジタル教科書体 欧文シリーズ」だ。それは通常の UD デジタル教科書体のアルファベットとは異なる、いくつかの特徴がある。

従来の欧文フォントのアルファベットは手書きとは違った形状になっており、形が複雑で画数も多い。また、文字が反転して見えてしまうディスレクシアの人にとっては、「db」や「qp」のように左右対称になる鏡文字の判別がしづらい。一方、「UD デジタル教科書体 欧文シリーズ」の正体欧文・書き学習用欧文は、手の動きを重視した形状になっており、少ない画数で書ける。また、鏡文字のデザインも左右非対称だ。

さらにモリサワは2021年春、UD デジタル教科書体の「筆順フォント」をリリースする。筆順フォントとは、一画ずつ書き順に沿って文字を書いていく過程を収録したフォントだ。

高田裕美

高田裕美
株式会社モリサワ 公共ビジネス課

UD デジタル教科書体の開発者であるモリサワ公共ビジネス課・高田裕美氏は、「筆順フォントは、国語の巻末にあるような書き順を示す教材を簡単に作成でき、電子黒板で一画ずつ漢字を表示させて教えることもできます。また、部首の色分けや、複雑な漢字を画数で色分けしてわかりやすくすることもできます。さらに、パーツを組み合わせるゲーム的な教材も簡単につくることができ、子どもたちの関心を集めて楽しく漢字を学ぶことができます」と説明する。

モリサワは UDフォントのランナップを充実させ、教育現場への普及に力を入れながら、「質の高い教育をみんなに」という SDGs の目標達成に向けて前進を続けていく。

【お問い合わせ】

株式会社モリサワ

株式会社モリサワ 公共ビジネス課
電話:03-3267-1378
URL:https://www.morisawa.co.jp/products/fonts/ud-public/

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