複雑化する大学入試の現状 〜学校と塾のすみ分けとは?[AD]
大学入試では総合型選抜など推薦入試が増えているが、未だ塾に通う高校生は多い。かつての学校と塾の緊張関係はなくなりつつあり、両者が連携しているケースも多いが、学校と塾のすみ分けはどう捉えれば良いのだろうか。
大学入試改革によって多様な選抜方式が導入され、受験対策も複雑化している。とくに、高校での活動実績や入学後の学修計画等を多面的に評価し選考する総合型選抜(旧AO)は、教科学習はもちろん、自己分析や大学分析など多岐にわたる準備が必要だ。学校教員が教科指導の合間に最新の受験情報を入手し、進路指導をするのには限界があるとの声も上がっている。学校に塾講師を招いて授業を行う「学校内予備校」が増えているのも、こうした背景がある。学校の存在意義や塾との役割のすみ分けが問われているが、総合型選抜対策を専門とする塾・自分構想のカリキュラム責任者でキャリアコンサルタントの酒井信幸氏はこう見ている。
「学習面においては、自分で学習計画を立てて実行していく力を養うことに重点を置いています。学校よりも速いスピードでカリキュラムを進めたり、学校で習わないことを教えたりするのではなく、学校で習ったことを自習を通して自らの力で習得できるようサポートします。総合型選抜の受験生は課外活動などにも熱心に取り組んでいるケースが多いため、一人ひとりに合ったスケジュールで計画を立てられるよう、メンターが個別に学習管理をしています。学校が『教える』ところならば、我々の塾は習ったことがわかるまで『伴走する』役割だと考えています」
キャリアプランとしての大学進学
総合型選抜で重視される志望理由書や活動報告書の作成については、塾の役割をどのように考えているのだろうか。
「どのような活動に取り組んだら良いかといったことは、生徒と日常的に接している学校の先生がアドバイスしていただければと思います。一方で、実際に取り組んだ活動内容を報告書の形にまとめるのは、大学の3つのポリシーを分析した上で作成するなど一定のテクニックが必要です。これは就職活動のエントリーシートにも似ているのですが、学校の先生は就活経験のない方も一定数いらっしゃるかと思います。また、志望理由は大学入学後だけでなく、大学卒業後のキャリアプランも見据えて考える必要があります。塾・自分構想では多様な社会人と交流できる機会も設けていますので、学校の中だけでは見えない将来のビジョンにも触れることができるかと思います。学校の先生は生徒の味方になって進路のサポートをしていただく一方で、塾は評価者(大学)に近い第三者的な立場で関われると良いのではないかと考えています」
大学卒業後も見据えた中長期的なキャリアプランを立てた上で総合型選抜に臨むには、塾のサポートも欠かせないと言える。