AIとのつきあいかた なぜAI倫理教育が必要か

AI時代の倫理教育は、単に「やってはいけないこと」「リスク、危険性」を学ぶのではない。AI倫理とデジタル・シティズンシップの視点から、AIと共生する社会の「善き市民」の育成を論じる。

AIと共生する社会の到来

今度 珠美

今度 珠美

一般社団法人メディア教育研究室 代表理事
国際大学GLOCOM客員研究員、文部科学省 中央教育審議会専門委員(情報・技術WG)
鳥取大学大学院 修了 修士(教育学)。関西大学大学院 博士課程後期課程 在学中。

人工知能(AI)は、今や私たちの生活のあらゆる場面に溶け込み暮らしを便利で豊かにしている。家電製品やスマートフォンの音声認識、SNSのおすすめ機能から医療や農業、教育に至るまで、その恩恵は計り知れない。一方で、その急激な進化は、社会のあり方そのものを根底から変えつつあり、同時に私たちは新たな倫理的課題にも直面している。AIは単なる便利なツールにとどまらず、人間の可能性を拡張する一方、使い方を誤れば偏見や差別を助長しプライバシーを侵害し、社会の分断を招く危険性もはらんでいる。このような時代において、「AIとどのようにつきあうか」を考えることは、私たちがどのような情報社会を構築していきたいか、という倫理的な問いそのものとなっている。

(※全文:2324文字 画像:あり)

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