高校生・高校教員必見 夏休みにすべき「総合型選抜」への対策とは?

高大接続改革で導入が進む総合型選抜入試制度。さまざまな観点から総合的な評価が行われるため、その対策も一筋縄ではいかない。夏休み中にどのような対策をしたら良いか、大学受験のプロが解説した。

総合型選抜対策の第一歩は
自分だけの北極星を探すこと

総合型選抜対策を専門とする塾・自分構想は7月9日、オンラインセミナー「夏休みにすべき総合型選抜の準備・対策とは」を開催した。講師は、学びエイド代表取締役社長の廣政愁一氏。総合型選抜の受験を見据えて夏休みに準備すべきことについて、高校生や教員向けに講演された。

筆記試験だけでなく、高校での活動内容や大学入学後、さらに大学卒業後に取り組みたいことまで幅広く問われる総合型選抜入試。その対策のためには、まずは理系文系の枠を越えて自分の興味の方向を決めることが必要だと示された。廣政氏はこれを、大航海時代に航海士たちが光のない夜の海で、北極星を頼りに方角を調べていたことに喩えた。そのように「自分だけの北極星」を見つけてその方向に進めば、途中で後悔することが少なくなるという。

第一段階として、自己と夢を見つけ言語化することが求められる。高校1・2年生の場合は、今の自分が興味のありそうなこととその周辺のことを調べると良い。具体的には、自分の夢について考え、周りの人と対話して深めることや、自分の過去や未来について言語化して自分史を作ることが有効だ。

さらに学問分類について知ることも、早い段階から必要だという。理系・文系という分け方ではなく、自然科学・社会科学・人文科学という分類で考えると、自分の興味関心がどこにあるのかがよくわかることが示された。セミナーでは「友達同士が喧嘩をしていたらどんな気持ちになる?」といったシミュレーションから、各自にあった学問領域を見つけていくワークが行われた。

こうした検討をもとに、夏休みに大学のオープンキャンパスに足を運び、自分の将来の「解像度を上げる」ことが提案された。オープンキャンパスに行って見るべきポイントも、学年ごとに細かく示された。

高校3年生向けには、総合型選抜で問われる「実績」のつくり方についても解説された。参加者からは、「高3の今からできる実績は何がありますか?」「清掃ボランティアは実績になりますか?」といった質問が上がった。まずは実績を作るために情報を見つけること、また過去に行ってきたことを分析して新しい解釈を与え、さらにそれを磨いて実績とすることなど、具体的な対策法が示された。

高大接続を考える
セミナー・研究会

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