教育実習から実践を重ねてICTを使いこなせる教員へ

教員のICT活用指導力の向上が喫緊の課題と言われる中で、信州大学教育学部附属次世代型学び研究開発センターでは、2023年3月に『ICTを使いこなせる教員養成講座』を上梓した。同テキスト執筆に携わった同センター専任教員の森下孟准教授に、その背景や要点を聞いた。

ICTを使いこなせる教員養成
に向けてテキストを執筆

森下 孟

森下 孟

信州大学教育学部附属
次世代型学び研究開発センター 准教授
鹿児島大学教育学部講師を経て、現職。博士(学術)。教育工学、教師教育、遠隔教育を専門に、教員養成学部生のICT活用指導力の育成、小規模校での遠隔教育に係る研究に従事。NPO法人信州イノベーション・ネットワーク協議会理事長、日本教育工学協会理事など。

ICTを使いこなせる教員養成講座

『ICTを使いこなせる教員養成講座:1 人1 台端末とクラウド環境で授業できるようになるために』
信州大学教育学部附属次世代型学び研究開発センター 著、
堀田 龍也 監修/132 ページ/ 2,000 円+税/さくら社

GIGAスクール構想により教室の1人1台端末が整備され、クラウド環境での授業が可能になった。

教員のICT活用指導力向上は喫緊の課題であり、2022年度は教職課程コアカリキュラムに「情報通信技術を活用した教育の理論及び方法」が新設、必修化され、教員免許取得要件となった

※教育職員免許法施行規則第3条~5条

信州大学教育学部ではこうした流れに先立ち、2014年度に教育実習でのICT活用授業を必修化した。この必修化やカリキュラムづくりを支援しているのが、信州大学教育学部附属次世代型学び研究開発センターだ。同大学教育学部と附属学校園をつなぎ、学びに関する研究・開発に取り組む組織で、長野県内の自治体でICT活用に関する指導助言なども行う。

同センター専任教員の森下孟准教授は「約45分間の授業で30人以上の子ども達に向けて質の高い授業を展開したり、クリエイティブな取り組みの実現にはICTが必要です。何より、子ども達のために何ができるかという視点に立てば、クラウド活用は不可避の時代と言えます」と話す。一方、「先生方がクラウドを使って学ぶ経験をしてきていないことが、ICT活用指導力の向上を難しくしている」と指摘する。そこで、同センターは今年3月、ICT活用に必要な知識とスキル、活用実践を盛り込んだ『ICTを使いこなせる教員養成講座:1 人1台端末とクラウド環境で授業できるようになるために』を出版した。

(※全文:2277文字 画像:あり)

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