包括的性教育=人権教育、自分らしく生きることを学ぶ

性の知識だけでなく、人権、多様性、ジェンダーなども含めた包括的性教育が世界で広がる一方で、日本では普及が進んでいない。2017年から「生と性の授業」に取り組む、桐朋小学校教諭の星野俊樹氏に包括的性教育の意義や具体的な実践などについて聞いた。

包括的性教育実践の経緯と現状

星野 俊樹

星野 俊樹

桐朋小学校 教諭
慶應義塾大学総合政策学部卒。京都大学大学院教育学研究科修了。公立小学校を経て、桐朋小学校に着任。社会的排除に向き合う人権教育に関心があり、ジェンダーやセクシュアリティについての実践「生と性の授業」がメディアでも紹介され、反響を呼んだ。

── 2017年から「生と性の授業」を始めた経緯をお聞かせください。

星野 私自身は性的マイノリティで性的指向は同性です。幼少期から、「男はこうあるべき」という学校や家庭での重圧に悩まされてきました。大学でジェンダー問題を学ぶまで、自分を苦しめているものの正体がわからず、自己否定による生きづらさに苛まれてきたのです。就職後も、職場で結婚を勧められたり、保護者から「子どもがいない先生に親の気持ちはわからない」と言われたりすることもあり、葛藤は続きました。

(※全文:2583文字 画像:あり)

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