あらゆる生徒が輝く学校へ 学びの意欲を高めるUDフォント[AD]

奈良県生駒市は、市内全小中学校でユニバーサルデザインフォント(UDフォント)を導入。プリントや電子黒板の表示に活用し、子どもの学習意欲と学力の向上を目指している。小紫雅史市長に、導入の目的や成果、教育のユニバーサルデザインの重要性を聞いた。

全小中学校にUDフォントを導入

小紫雅史 生駒市長

小紫雅史
生駒市長

奈良県の北西端に位置する生駒市は、大阪市・奈良市へのアクセスが良く、子育て世代に人気なまちだ。「子育ての場所として生駒を選んでもらうためにも、生駒市のまちづくりにとって教育は最重要課題であり、一番のキラーコンテンツです」と小紫雅史市長は語る。全国学力・学習状況調査の点数は全国トップレベルを維持しており、生涯学習・地域教育にも注力している。

教育環境をさらに高めるために、生駒市は2019年4月、文字の形がわかりやすく読み間違えにくい書体「ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)」を市内全小中学校に導入した。モリサワが開発したこのフォントは、弱視や読み書き障害に配慮してデザインされており、学習指導要領にも準拠した字形だ。学校で作成するプリントや、電子黒板の表示などに活用し、学習意欲と学力の向上を目指している。

UDデジタル教科書体の特長

学びの困難を乗り越え、輝かせる

小紫市長は、UDフォント導入の経緯を次のように語る。

「生駒市は、生駒市小学校内に発達障害の児童向けの通級指導教室を置くとともに、就学前幼児のための支援機関『生駒市ことばの教室』を運営しています。ここでは、紙の教科書を使用した学習が困難な児童に対応するために、タブレットとデジタル教科書を導入しており、読みやすいフォントへのニーズがありました。また、市長として、学習障害の子どもや家族と直接話す機会も多く、子どもたちの力を伸ばし、輝かせるために支援を強化したいと考えていました」

そんなとき、事業構想大学院大学の主催するシティープロモーション研究会を通じてモリサワと出会い、UDフォントの存在を知り、導入検討を開始した。

まず、市内の小学生116人を対象に実証試験を実施。文を読んで正しいことが書いてあるかどうか考えて正誤に丸を付ける問題36問を、一般的な教科書体とUDフォントで用意し、1分間でいくつ解答できるかを測った。その結果、平均回答数はUDフォントが29.5問、教科書体が24.0問。正答率も15%ほどUDフォントの方が高かった。

「学習障害の子どもを助けるだけでなくて、いわゆる普通の子どもにも読みやすく、理解しやすい文字であることが実証されました。子どもたちの学びへの意欲が上がり、自信が持てるようになるならば、導入しない手はないと考えました」

子どもの積極性が大きく向上

UDフォントを小中学校に導入してから約半年で、様々な効果が現れている。

通級指導教室では、子どもたちがタブレットやプリントで使用するフォントを自由に選べるようにしたところ、ほとんどがUDフォントを選んだという。「勉強に自信を取り戻して、学校での姿勢や積極性が変わり、学級委員長に立候補した生徒もいます」と小紫市長は笑顔を見せる。

子どもたちの変化を見て、教職員もUDフォントを積極的に使い始めており、学級通信や自作の教材へのUDフォント活用が広がっている。「UDフォントの良いところは、学校現場が導入する際の作業や負担が少ないこと。私や教育長からも、さらなる活用をお願いしていくつもりです」

8月にはモリサワの協力で、市内小中学校の教職員を対象にUDフォント研修会を開催。教職員54人が参加し、UDフォントをさらに効果的に活用できるよう、配布物のフォント選択、デザイン、レイアウトなどを学んだ。

生駒市はモリサワと協力し、小中学校の教職員にUDフォント研修会を開催。54人が参加した

生駒市はモリサワと協力し、小中学校の教職員にUDフォント研修会を開催。54人が参加した

「UDフォントによって、学校を楽しんでくれる子どもたちが増えたことが何よりも嬉しいですね。『学校っておもろいやん、友達もいるし、授業も面白いし』と子どもたちに感じてほしいのです。障害は、環境を整えれば乗り越えられるものだと思います。UDフォントの導入のように、学びの制約を事業者の力を借りて解消していくのが行政の仕事だと考えています」

ユニバーサルデザインのまちへ

小紫市長は、今後、学校現場のみならず全庁的にUDフォントの活用を進めていきたいと話す。「すでに広報紙はUDフォントを採用していますし、記者発表資料など職員が作成する文書にもUDフォントを使い始めました。今後は、市民へのお知らせ文書などにも活用したいです。文書内容が理解しやすくなれば、市民からの問い合わせも減るかもしれませんね」。

UDフォントはデジタル教科書体と英語教育向けの専用欧文書体のほかゴシック体、丸ゴシック体、明朝体などのバリエーションがあり、生駒市では用途に合わせた書体を利用している。

フォントだけではなく、視聴覚障がい者とのコミュニケーションツールなどの導入も検討しているという。

「UDフォントという好事例を起点に、あらゆる人が住みやすく活躍できる環境を作っていきたいと思います。まち全体をユニバーサルデザイン、インクルーシブな仕組みにすることは、地域包括ケアシステムの構築にもつながるでしょう。子どもも大人も高齢者も、障害のある人もない人も、皆が一緒に暮らし、支え合うまちを目指したい。そんな『ごちゃまぜ』の先にイノベーションや豊かさ、創造性が生まれると私は思っています。これらはまさに、21世紀を生き抜く子どもたちに必要な力ではないでしょうか」と小紫市長は想いを語った。

【お問い合わせ】

モリサワ

株式会社モリサワ
営業企画部 公共ビジネス課
Tel:03-3267-1378
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