自然が、暦だった

ウェルビーイングが経営や教育の目標になった。だが「よりよい状態」とは何か。戦前の暮らしを聞き歩く古川柳蔵氏は、戦前を知る「90歳」たちの言葉に核心を見た。いつ、どこで、何が採れるかを知っていること―人はそれを故郷と呼んだ。毎年巡る自然にこそ、続く豊かさは宿っていた。

歌川広重「東海道五十三次之内 石薬師(石薬師寺)」保永堂版、天保4~5年(1833~34年)頃、木版多色摺/ギメ東洋美術館(Musée Guimet、パリ)蔵
晩秋の山里。刈り入れの済んだ田と色づく木々、暮れてゆく鈴鹿の山。広重が描いたこの一枚は、いつ・どこで実るかを知る人にとって、今年も変わらず巡ってきた安心の風景だった。
提供:アフロ

ウェルビーイングの重要性が認識され、各団体が様々な施策を展開している。しかし、いまだに「よりよい状態」からは程遠いという声も聞かれる。

(※全文:2135文字 画像:あり)

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