「差し上げる」が包含するもの(1) 「段取り」が仕事の格を上げる

人間・利休への憧れ
始まりは一振りの「刀剣」から

息が止まるほどの冷徹な美しさ。それが、小学校6年生の私が京都で出会った「吉光の短刀」でした。

私の実家は三重県で茶道教室を営んでおり、幼少期から茶の湯に親しむ環境にありました。しかし、遊び盛りの子供にとって、静かに座って苦いお茶を飲む時間はお菓子以外は退屈そのもの。当時の私は、お茶よりも「より強いもの」への憧れが強く、幸いにも周囲にあった多くの書籍の中から、特に「刀剣」の図鑑ばかりに熱中していました。鋭い刃でありながら、どこか奥深い味わいを持つ意匠に惹かれていたのです。

そんな私が茶の湯に強い関心を持つようになったのは、小学校2年生のときでした。家族と訪れた京都国立博物館の「千利休展」で、運命の出会いを果たします。それは、千利休が最期に切腹を命じられた際、その身を処するのに用いたという「吉光の短刀」でした。

「これほどまでに重厚で凄みのある刀で、自らの腹を召した千利休とは、一体どんな人物だったのだろう」

(※全文:2687文字 画像:あり)

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